ANO TERRINE

ANO TERRINE

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会社名
JAPAN SELECT株式会社
実施期間
2021年2月〜2022年1月
URL
https://anoterrine.com/

「あの味を楽しむ旅へ連れ出す」スイーツブランドを創生

観光メディアや店舗向けサービス、アパレルブランドなど衣・食・住を通じて、人々の暮らしを豊かにするサービスを展開しているJAPAN SELECT株式会社様のD2Cブランド開発をいたしました。

今回、JAPAN SELECT株式会社様からInstagramで運用されている全国のグルメを紹介するメディア「JAPAN SELECT」を活用できるビジネスモデルを考えたいとお伺いしました。そこで、フォロワー数の多いInstagramアカウントを活かした自社ブランド事業を運営させようとなったことがプロジェクトの始まりです。

弊社では多くの市場調査を行い、「食という扉から、味を楽しむ旅へ あなたを連れ出すテリーヌブランド 」というコンセプトを考案しました。そのコンセプトを元に、ブランド開発・商品開発・工場や販促物メーカーの手配・パッケージデザインとグラフィックデザインの制作・写真撮影・ECサイトの制作まで0→1フェーズで取り組みました。

プロジェクトにおける成功の実現性を高めるために年間の販売収支計画表を作成しながらロードマップや数字のシュミレーション設計を行い、計画性の高い進行で進めていきます。

Process1. トレンド・ターゲット・競合リサーチ

何を作るのか、市場調査を踏まえてブランドを企画

プロジェクトの始まりは何のどんなブランドを作るのかは固まっていませんでした。そのため弊社ではまず、さまざまなリサーチから得た情報を元に仮説を立てました。そして、それに準ずるプロダクト、ユーザー体験を提供するためのロジックを組んだ上でブランドの企画やコンセプトをご提案しました。

(1)トレンド、マーケットについてのリサーチ
トレンドやターゲットのアカウントを分析し、マーケットのボリュームや特徴を理解してアクションへと起こしていくためのリサーチ。

(2)食材、フレーバーについてのリサーチ
ブランドスイーツの第一商品目となるメジャースイーツにふさわしいフレーバーを選定するため、季節や地域に合わせた今後の展開なども含め検討するためのリサーチ。

(3)テリーヌに関する製菓についてのリサーチ
テリーヌのレシピ開発、量産可能で依頼候補となる工場とパティシエをリサーチし、工場については生産ロット数・予算・製菓の内容とマッチする製菓工場を探して何件も問い合わせ、ベストな工場を選定するためのリサーチ。

(4)自社アカウントと競合についてのリサーチ
自社アカウントの強みを分析しつつ、インスタグラムで運用している競合のスイーツブランドを調査。競合の掲げるコンセプトやアカウントの投稿内容、パッケージと価格帯の特徴からブランドのカラーイメージや印象に対する方向性などを調べ、ANO TERRINEが誕生した際はどのポジションへと位置するのかを明確にするためのリサーチ。

また、上記のリサーチを踏まえて「JAPAN SELECT」のアカウント分析も行い、細かいペルソナを設定いたしました。その後、ブランドの世界観をムードボードに落とし込んでビジュアルのイメージを作成しました。

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Process2. ブランド開発

ブランドの世界観を作り上げ、核となるクライテリアを設計

設定したブランドのコンセプトからブランドの世界観をより詳細化するため、ブランドストーリーとブランドの強みを設定いたしました。

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そして、ブランドストーリーから「場所や時間に縛られず、ふと、あのテリーヌが食べたいと想起していただける。そんな食を提供するブランド」が由来となり“ANO TERRINE”という名前に決まりました。名前を決めるにあたってもInstagramから流入想定のため、タグ付けをしてもらいやすい名前であることや似たハッシュタグが他に無いことも考慮しつつ進めていきました。ブランドのシンボルとなるロゴデザインについては、どういったフォントがブランドの世界観にマッチするのか。女性らしい高級感のあるお店のロゴを参考にしながら、クライアントと相談して選定したり、ブランドの世界観を保つためにロゴデザインのガイドラインは勿論、書体やカラーパレット等の細かなルールも弊社で作成いたしました。
カラーパレットの設計では、ANOTERRINEのブランド力を底上げできるカラー設計を行なっています。
多様なフレーバーカラーが展開された場合でも、ブランドの世界感が保たれるように有彩色を避けて設計を行うなど当初から運用まで見据えた設計を行なっています。

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Process3. 商品開発と関係会社の手配

密なコミュニケーションを取りながら開発を行い、工場手配まで一貫して商品を作り上げる

本プロジェクトでは、工場に制作を依頼するためのレシピを自社で開発しました。試作にご協力いただけるフリーランスパティシエの方とタッグを組んでレンタルキッチンにて研究開発を行いました。チーズによってどれだけ味が変わるのか、産地によって違いがあるのかなど10回以上試作を繰り返してベストなチーズテリーヌを完成させました。試食会にはクライアントの方にもご参加いただき、感想や改善点などをその場で話し合いながらスムーズに進めていきました。
商品開発後、工場及び物流倉庫・販促物メーカーをprocess1で行ったリサーチや過去のデータを元に選定。個宅配送までのコスト算出とコストカット業務と流通に対しての商品の品質の担保を行い、量産体制の製造ライン設計をしました。
工場への発注状況もわかりやすいように、タスクの完了具合など細かく共有できるスケジュール表も作成していたため、外部との取引も安心してお任せいただけました。
商品開発後、コスト感などの融通が効く工場及び物流倉庫・販促物メーカーをprocess1で行ったリサーチや過去のデータを元に費用感を確認しながら選定し手配しました。又、商品が届き、段ボールを開けた時の幸福感に当たる顧客体験を大切にするため、物流倉庫へ向けての梱包マニュアルもこだわって作成いたしました。

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Process4. パッケージデザイン・グラフィックデザインの制作

パッケージ戦略を考えた提案と柔軟なデザイン対応を

デザインの制作面では、依頼される前から多くのデザインパターンを準備し、クライアントの方から「こういうのも見てみたい」とあればその場で素早く対応しました。たとえば「Instagramからの流入を想定しているから、色の濃い物の方は見栄えが良い」やフレーバーを展開する時のパッケージ戦略など数多くバリエーションをご提案。また、デザインだけでなく質感にもこだわりました。さまざまな工場に問い合わせてはサンプルを受け取り、直接クライアントにも触っていただいて一緒にパッケージの作成を進めていました。デザイン会社たるものやはりパッケージには強いこだわりを持っており、蓋の形状も蓋を留めるためのシールを貼ることによって見栄えが悪くなることを避けるために蓋はギリギリ取れないように、設計も突き詰めてデザインしました。

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Process5. 商品完成後

ブランドの運営をスムーズに行うための準備

世界観を保つためのフォトガイドラインを作成し、プロのカメラマンとスタイリストをアサインしてクリエイティブに使用する素材の撮影を行いました。その後、ShopifyによるECサイトの開発を行ったり、SNSで使用するストーリー画像などを作成し、ブランドを運用するにあたっての準備を行いました。
最終的にお客様に納品するものとして、ブランドの世界観を壊さないための写真撮影におけるガイドラインやブランドを立ち上げるための設計をまとめた資料を作成しました。

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Interview

JAPAN SELECT株式会社の梅野様(以下、梅)に、今回のスイーツブランド開発に関する内容について伺いました。

QUARTZ(以下、Q):今回のプロジェクトは、毎週対面での定例で密にコミュニケーションを取りながら進めていくことができた事が弊社としてはとても良かったと感じています。弊社からの提案ベースの進行や成果物についてはいかがでしたか?

梅:すごく良かったと思っています。毎週の定例では、現状報告であったり、次のアクション提案もあり、プロジェクトがどんどん前に進んでいるんだという安心感を感じることができました。成果物に関しても申し分なく、期待以上のものでした。

Q:弊社とプロジェクトを進めていく上で「こんな事もしてくれるんだ・ここまでしてくれるんだ」と何かご関心して頂けたところはありますか?

梅:納品後のアフターフォローに驚きました。戦略の部分や今後どういう売り出し方をしたら良いかなどのお話をいただけた事がすごくありがたかったです。他のクライアントさんだとほとんどのケースで、納品して一旦プロジェクト終了になるんですけど、今も相談に乗っていただいていてそれもすごく安心感に繋がります。

Q:弊社の行ったリサーチや提案からブランドを設計していく上で何か発見や気づきはありましたか?ブランド以外でも御社の成長につながる気づきなどはありましたか?

梅:ありました。弊社がInstagramで運営している「JAPAN SELECT」から逆算した設計でブランドを作っていただき、アカウントのメディア分析もしていただいて、メディアの特性やフォロワーの属性を紐解くことができました。そのデータを取っていただいたのは、弊社で完璧にできていなかったところなので、すごく学びになりました。現状でも事業に活かせるデータなのでとても役立っています。

Q:ブランドのコンセプトやストーリーはジャパンセレクトのフォロワーさんの思い描いていた世界観を作り出すことはできましたか?

梅:はい。今も多くのお客様にご購入いただいていて、皆さんが求めている良いブランドになったのではないかと思います。元々コロナ禍で皆さんが外に出れない時代背景から踏まえて、おうちで何か贅沢であったりだとか、忘れられないあの味の世界観を作っていただきました。高級感・特別感のあるブランドが出来上がったので私自身もすごく満足しています。

Q:チーズテリーヌの発売日は1分で売り切れたとお伺いしました。実際に販売してみてお客様からの反響はいかがでしたか?

梅:お客様からの反響は販売当初からすごくいただいてまして、1番褒められる部分としては、味がすごい美味しいとか、今まで食べたことがないとか、今まで食べたチーズテリーヌ・チーズケーキの部類の中で1番美味しいという評価でした。販売から1年経っていないですが20回くらいリピートで買ってくれたお客さんもいるんですよ。それぐらい好評です。ギフトボックス等のカラーグラフィックのデザインもすごく可愛いと言われていて嬉しい限りです。

Q:今回のプロジェクト、社内での評価はいかがでしたか?

梅:プロジェクトに関わっていたメンバーは3名ですが、3名は勿論のこと、他のメンバーからも取引先さんとの会食であったり打ち合わせの時に「ANO TERRINEを持っていきたい」と言われるくらい好評です。

Q:弊社では“ANO TERRINE”というブランドを一緒に作っていくパートナーとして0→1フェーズで関わらせていただきましたが、実際に作ったブランドに対しての総合的な満足度はいかがでしょうか?

梅:めっちゃ満足ですね。クオーツさんなので、デザイン面でお洒落とか独創的とか今風のイケてるデザインを作ってくれる点を最初期待していて、ただそれ以外の部分でもブランドの作り方とか、それこそ販売戦略の部分にもご協力いただいてすごく満足しています。ブランドを作っている時はクオーツさんに伴奏していただいてそれに僕らが着いていく形で、販売後いざ自分達で運営していかなければならない不安感があった時もフォローしていただけて、総合的にとても安心して任せれるプロジェクトでした。最初期待していた以上のものとそれ以外にも私が今後事業を進めていく上で大事なことを学ばせていただいたなと思います。

Q:仮に、梅野様の周りにD2Cブランドの立ち上げを検討している方がいるとして、第一声、弊社のどういうところを勧めていただけますか?

梅:ブランド開発を最初から最後まで一貫して行ってくれるところでしょうか。やることがまだ具体的じゃないけどアイデアベースで、それを具体的に企画からプロダクトのローンチまでデザイン面だけではなくてビジネス面とかそういった部分を総合的にできる会社ってなかなか無くて…デザイン面だけならやりますとかはあるんですけど。今回、工場の手配やブランドコンセプトからストーリーまでほとんど設定していただいて。私も割とめちゃくちゃ抽象度の高い相談から具体的なところまで持っていっていただいたので、ブランド作りたいんだけど…って言う発想段階の方とかにはすごくオススメです。お任せできる安心感があります。

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