toutoucoco
愛犬との共有をつくるライフスタイルブランドを再創成
インターネット広告事業や人材紹介事業、ECモールコンサルティングの事業を展開するPISTEC株式会社様が運営しているドッグwithライフブランドtoutou coco。とあるオーナー様からブランドを買収したことをきっかけに、ブランドの質も上げていきたいとリブランディングのご依頼を頂きました。
弊社では、クライアント様のブランドに持つ想いを深堀りしながら、これからどのようなブランドにしていくか市場調査を行い、企画の提案・ブランド設計・ビジュアルアイデンティティの設計・写真撮影・ECサイトの制作までを一貫して行いました。
案件開始時には「そもそもブランディングってどういうことなのか?」を弊社でのブランディングの考え方で資料に落とし込んだものとともにオリエンテーションの場を設け、足並みを揃えてプロジェクトは始まりました。
Process1. ヒアリングとリサーチ
ビジネス的な目標と個人個人の原体験を両軸で探る
まず、これからどういったブランドを育てていきたいのかという話の中で、代表の実体験や生活の中に犬が存在する幸福感を増やせるブランドを、飼い主と愛犬がセットでの体験・価値を物ではなくライフスタイルで提供していきたいという想いを伺いました。
そして、代表を含めた運営に関わるメンバーそれぞれの想いをtoutou cocoに反映するためのアンケートを行い、スタッフと一緒に作り上げるブランドを目指しました。
並行して100を超える競合のリサーチを行いました。その中からアンケート結果やメンバーワークショップで出たキーワードに適したブランドをピックアップ。それぞれを細かく分析・共有しながらポジショニングを検討していきました。
競合リサーチの他にも
(1)トレンド、マーケットについてのリサーチ
トレンドやターゲットのアカウントを分析し、マーケットのボリュームや特徴を理解してアクションへと起こしていくためのリサーチ。
(2)ブランドと社会的価値のリサーチ
コンセプトの部分やアパレル業界の社会的な課題を見つけるためのリサーチ。
(3)既存のアカウントのリサーチ
ターゲット層や売れ行き商品など、toutou cocoの強みを見つけるためのリサーチ。
上記のヒアリングとリサーチ結果を元に企画の方向性を絞り込んでいきました。
Process2. ブランドの企画提案
運営メンバーの想いが最大限に組み込まれたブランドを企画
企画を行うにあたり、ブランドの情報や特徴の洗い出しを行い、どのような訴求で打ち出していくのかを模索していきました。
代表も運営メンバーも愛犬家だからこその想いを「ペアルックを着て、新しいカフェを訪れたり、一緒に写真を撮って思い出が増える。そんな飼い主と犬との豊かな体験を提供する。」というコンセプトとしてブランドに落とし込みました。強みであるペアルックが豊富に揃っているブランドは市場になかったこともあり、良いポジショニングが取れると企画を進めていきました。
また、プロジェクト当初は、高級感や貴族感のあるハイエンドなブランドイメージを想定していましたが、運営メンバーへのアンケートを取った結果、犬との思い出やピュアな愛情に溢れた回答が多く寄せられていました。メンバーの方々の年齢層も若く、洗練されつつも温もりを感じるブランドイメージに落とし込めるような提案を行った結果が今のtoutou cocoの雰囲気となりました。
Process3. ブランド・ビジュアルアイデンティティの設計
ブランドイメージに再現性を持たせる設計を
企画の方向性が固まった段階で、ブランドの思想や価値、核となる部分を言語で定義したブランドDNAを設計します。
ブランドを情緒的に現したストーリーやブランドのイメージをいくつかの要素で整理した図など、今後の運用でブランドの世界観を保つために守るべき事をガイドブックとしてまとめました。前提として、今後社内で内製化していきたいと伺っており、SNS運用などをする際にどういった言語があれば共通認識を持って発信しやすいか、困ることがないかを意識して設計を行いました。
その後、ブランドの世界観をビジュアルで表現したロゴデザイン・フォント・カラーの設計に入ります。カラーはブランド名の由来「toutou…子犬 coco…愛しの」から優しさや温かみが出る色を選定しました。フォントに関しても上質さと、柔らかさのバランスが取れるエレガントなフォントを選定。今回のロゴデザインはクライアントのデザイナーと共創を行い、ロゴ1つからブランドの奥行きについて顧客に話せるようになったと伺っています。
Process4. クリエイティブ素材の撮影
限られた時間の中で数千枚の写真を撮影
写真撮影では初めに、ブランドDNAで言語化したイメージを表現するためのすり合わせを行いました。それに合わせたスタジオの提案からモデル・スタイリスト・ヘアメイクをアサインしました。
また、事前に撮影の下見に訪れ、何時にどんな光が入ってくるかなどを調べて香盤表などの撮影資料にまとめておく事でカット数が多い撮影でしたがスムーズに行うことができました。
撮影後の加工方法も細かなガイドラインを設定しているため、今後の世界観を崩すことなく運用が可能です。
Process5. ECサイト設計
ECサイトとしての使いやすさ、ブランドサイトとしての世界観が両方備わったサイトに
ECサイトを設計する上で大事にしたポイントは3つあります。
(1)一目で伝わるブランドの世界観
今までのプロセスから選定したフォントやカラーを元に、写真を全面的に押し出した構成に。toutoucocoらしい柔らかな印象を、アニメーションなどにも踏襲。詳しく語らずともブランドのイメージが伝わるようになっています。
(2)使いやすく回遊しやすい導線の設計
TOPページの流れや新商品の下にランキングを設置したり、お気に入り機能を搭載するなど、回遊したくなるユーザー体験を設計。また、サイドバーや細かなUIにも気を配りました。商品のカラーのバリエーションも、ひとめでわかるよう表示しています。
(3)運用のしやすさ
商品数の変動やコンテンツの変更がある事を想定して、コード知識がない方も更新しやすく保守運用も運用メンバーで管理できる設計に。詳細ページなどもフォーマット作っておくことで整理された状態が長く続くような仕様となっています。
細かく設計したECサイトがあることで、信用してもらえるようになったとお伺いしました。
Interview
PISTEC株式会社の林田様(以下、林)と駒田様(以下、駒)に、今回のリブランディングに関する内容について伺いました。
QUARTZ(以下、Q):今回のプロジェクトは、経営者だけでなく、運用メンバーの意見も取り入れながら進めていけた事が弊社としてはとても良かったと感じています。弊社からの提案ベースの進行や成果物についてどういうところが良かったでしょうか?
林:単なるECサイトでなく、ブランディングを重視する制作物が上がってきた事が非常に良かったと思っています。
駒:提案・進行の際にスプレットシートを共有いただいていたのですが、そのシートの内容が個人的に見やすかったです。今どの段階にいるのか状況の把握もしやすく、関わっていないメンバーにもすごく共有しやすかったです。
林:僕自身、プロジェクトの進行を見れない時があり、メンバーに任せていた部分もありましたが、確認できない時があってもちゃんと進んでいる事が分かりやすかったですね。
Q:お客様や、社外の方からの反響はいかがでしたか?
林:めちゃくちゃ良くなってると思います!今までは、「ペアルックできるんだ。」とか機能面の評価が多かったのですが、ECサイトが変わってからは「お洒落だね。」と言ってもらえる事が増えましたね。
駒:一番実感しているのは商品写真の撮影会を一緒にしていただいて全て組んでいただいたのですが、その写真がサイトのレイアウトに加えてTOPページに載ることで、全体的にお洒落さが増しました。同じ商品を売っていても写真の見せ方一つで高級感とか素材の良さも変わるんだなと思いました。制作側にとっても、手に取る方にとってもお洒落に着こなしている自分が想像しやすいような写真を撮影していただいたなと感じているので、そこが購買意欲に繋がったのではないかと思います。
Q:定例に運営チームも参加されていたと伺っていますが、御社内での評価はいかがでしたか?また、社長から見たスタッフさんの変化はいかがでしたか?
林:社員に任せられる事が増えたかなと思います。方向性やルールが可視化されたので、そういう意味でも裁量権の範囲が広がったかなと思います。また、社内で発信する言葉が変わりました。ネガティブな部分が減り、未来が見えやすくなった事で、今後どうしていくべきかという議論が生まれやすくなりました。
駒:私がこの事業を買収してから一番長く関わっているメンバーなのですが、関わっていないメンバーや後から関わる事になったメンバーの反応を見ていて、「リブランディングをして良かったね。」という意見が満場一致でした。メンバー全員が素人というかリブランディングをした経験は誰もなかったので、ブランドの見せ方の大事さを教えていただいたのかなと思います。
Q:弊社の行ったリサーチやアンケート、提案の内容はどうでしたか?御社の成長につながる気づきなどはありましたか?
林:最初に競合リサーチやポジショニングマップなど、独自のリサーチでまとめていただいた事が自社だけでは調べられなかった範囲だったので、色々と参考になったと思っています。
駒:序盤のミーティングで本当にびっくりしました。リサーチの内容を見せていただくスライドがジャンルごとにまとめていただいている事で見やすく、分かりやすい提案で個人的にはとても勉強になりました。私自身、リサーチ力に欠けているので「どこから引っ張ってきたんだろう?」とか普通に調べただけではわからないような深いところまでしっかり調べていただいていて、かつ、toutou cocoのジャンルやテイストを加味しながら見合ったものを提供してくださったかなと思っています。
Q:弊社とプロジェクトを進めていく上で「こんな事もしてくれるんだ・ここまでしてくれるんだ」と何かご関心して頂けたところはありますか?
林:弊社からの修正点とかが多かったと思うのですが、柔軟に対応していただき丁寧さを非常に感じました。
駒:撮影会をしていただいた際に、「こちらで準備は全てします!」と言っていただき心強かったです。一度だけ社内で撮影会を行った事があったのですが、その時は素人だったので撮影の勝手がわかっていない状態でした…。いざクオーツさんにお願いするとなってから実際にスタジオに何度も足を運んでいただいたりとか、カメラマンさんと綿密に構成していただいたり、丁寧というか本当にそこまでして下さるんだと一番感心しました。
Q:今回のリブランディングに対する総合的な満足度はいかがでしょうか?
林:非常に良かったです!やっぱりブランディングって難しい領域でそれに対して言語化しながら仕事ができる人って少ないのかなとは思って、そういう意味でも良かったのかなと思います。
駒:私もお願いして良かったなと思ってます!一番は事業自体を買収していて自分達スタートの事業ではないのでやっぱり最初のうちはどこか人から譲り受けたものという感覚がありました。そこをリブランディングしていただいた事によって自分達のブランドである、事業であるという認識が改めて強く持てたんじゃないかなと思います。
Q:仮に、林田様と駒田様の周りにD2Cブランドの立ち上げを検討している方がいるとして、第一声、弊社のどういうところを勧めていただけますか?
林:ブランディングの言語化ですかね。始めたてのスタートアップ企業などは、依頼するとなるとコスト面でハードルが高いかもしれませんが、ブランディングが必ず必要になるタイミングがあるのでその重要性を感じていたり、求めている企業さんがいたらオススメしたいです。
駒:担当者の方が私たちと年齢が近かったという事もあって、良い意味で親しみやすく、同じ目線で一緒に走って下さるような感じがあったのが一方的に引っ張られているよりは一緒に頑張ろうって感じられるようなプロジェクトの進め方だったなと思います。そこは今からブランドを立ち上げる方、それこそ個人、小規模で立ち上げようとしている方や未経験の方にはすごく受け入れやすくて一緒に作り上げている感じがより得られるのかなと思います。
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