はじめに
「日本で成功しているD2Cブランドにはどんなものがあるんだろう?」D2C事業を展開していく中で、このような疑問がふと頭に浮かぶ人もいるかと思います。D2Cは仲介業者などを通さずに直接お客さまとやり取りをするビジネスモデルです。D2C事業の代表例としては、「スタートアップ企業」「コスメブランド」「アパレルブランド」などがイメージされやすいです。
しかし現実には、さまざまなD2Cブランドが展開されており、各分野で成功を収めています。そこで、この記事では「日本で成功をしたD2Cブランド10選」を紹介し、成果を出したブランドの特徴についても解説します。自社のD2Cブランドを成功させたいと願っている人は、ぜひ参考にしてください。
食品ブランドのD2C成功事例
1. Mr.CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)
Mr.CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)は、「幻のチーズケーキ」とも言われるほど人気のあるチーズケーキです。人気レストランの代表を務めていた田村浩二さんが作ったチーズケーキをインスタにアップしたのがブランド設立のきっかけです。
ECサイトではケーキの温度管理や美味しく食べる方法などが紹介されており、アクセスが殺到しています。商品は毎週日曜日と月曜日の週2日の販売となっており、数量限定で、あっという間に売り切れてしまいます。
SNSもアクティブに活用していて、YoutubeやTwitterなどのコメントには積極的に返信しているようです。
>>公式サイト https://mr-cheesecake.com/
2. snaq.me(スナックミー)
snaq.me(スナックミー)は素材を活かしたおやつを定期的に自宅へと届けてくれるD2Cブランドです。ブランドコンセプトには、ワクワクしながら美味しいものを食べるという「体験」に重きを置いています。
すべての商品に添加物を使わずに自然素材で作られているのが最大の特徴です。このお陰で子供〜大人まで安心して楽しめるおやつ作りに成功し、ブランドイメージを定着させました。
さらにsnaq.meでは動画配信サービスやショッピングサイトでも採用されている「レコメンデーション」を積極的に取り入れています。この機能により、苦手な食材やアレルギー成分を登録でき、オススメのおやつを選択し自動的に配送される仕組みです。また、フィードバック機能もあり、次回以降お届けされるおやつに反映されます。
>> 公式サイト snaq.me
3. BASE FOOD
BASE FOOD(ベースフード)はタンパク質、ビタミン、ミネラルなど体に必要な栄養素を摂取できる完全食を販売しているD2Cブランドです。代表の橋本舜さんは、IT企業に勤務していた時に不健康な食生活を送っていたことが起業のきっかけになっています。ブランドコンセプトは「主食をイノベーションする」というもので、美味しく食事をしてなおかつ健康になれる未来を目指しています。
またBASE FOODのECサイトはランディングページのようなデザインになっています。これは、食品の栄養素や人体に与えるメリット、美味しく食べる方法などが記載されており、スムーズな導線でユーザーの購買行動を促進しています。
>> 公式サイト BASEFOOD
4. Minimal -Online Shop-
Minimalはカカオの仕入れ〜チョコレートの製造まで自社で管理しています。現在販売チャネルとしては、直営店2店舗とECサイトを運営しています。さらに消費者との積極的なコミュニケーションを図っており、ファンになるリピーターも大勢います。チョコレート商品も数多く手掛けていますので、チョコレートが大好きな人にとってはチェックしておいた方がいいブランドです。SNSでも商品開発に関するストーリーなどを発信しており、多くの人の興味を惹いています。
公式サイト https://mini-mal.tokyo/collections/all
ファッションブランドのD2C成功事例
5. 17kg(イチナナキログラム)
17kg(イチナナキログラム)は韓国系ファッションブランドで10代の女子から絶大な人気を集めているD2Cブランドです。商品紹介をInstagramで行っており、フォロワー数は41.7万人という数字を誇っています(2023年9月調べ)。
女子に人気のあるアパレルブランドであることから、創業者は女性をイメージしそうですが、実は男性。塚原健司さんは17kgの前にIT業界で成功を収めた経験があり、マーケティングにも精通していたことが17kgのブレイクにもつながっているようです。
さらにInstagramを使ったビジネスモデルをいち早く研究していたことやECサイトだけでなく原宿ラフォーレに実店舗をオープンするなどしてユーザーの心を掴んでいます。
今後はファッションだけでなく、美容・コスメでも商品を展開していき、いずれは海外進出も計画しているそうです。
>> 公式サイト https://17kg.shop/
6. 土屋鞄製造所
土屋鞄製造所は老舗のレザー製品ブランドです。現在はランドセルだけでなく、鞄、財布などを取り扱っており高品質な商品の販売で有名です。創業者は土屋國男さんで1965年に創業し、半世紀に渡って実績を上げていきました。2000年代に入ってからは、ECサイトでの製品販売を手掛けて顧客層を一気に広げました。
>>公式サイト https://tsuchiya-kaban.jp/
7.COHINA(コヒナ)
COHINA(コヒナ)は小柄な女性に向けたファッションを展開しているアパレルブランドです。モデルも小柄な女性を採用しており、ターゲット女性の身長は155cm以下に設定しています。このようなブランドコンセプトになった理由ですが、COHINAの立ち上げに携わったのが田中絢子さんと清水葵さんでした。2人はともに低身長で洋服選びに困ることが多かったらしく、その思いが起業のきっかけとなったそうです。
2017年11月に初めての商品が完成し、自社ECサイトで販売開始しています。さらに、当時はInstagramのフォロワーが400人ほどしかいませんでしたが、現在では23.1万人を超えています(2023年9月調べ)。インスタライブを毎日配信し、顧客にファッションアイテムの紹介や着用イメージを伝えて、顧客の疑問や悩みに答え続けました。結果創業から3年経過した時には月商1億円を超える企業に成長しています。
>>公式サイト https://cohina.net/
8. ALL YOURS
ALL YOURS(オールユアーズ)は着飾らずに仕事やプライベートでも着回せるファッションを提供するアパレルブランドです。着心地を徹底的に追求しており、服を特別なものとしない考えによってブランドを確立しました。
中でも特徴的なのが「ご自宅お試し制度」と呼ばれるものでECサイトから直接申し込みができます。さらに情報発信のために、Instagram・TwitterなどのSNSの活用や雑談Podcastも運用しているようです。
またZOOMを使った接客も行っており、直営店から離れた顧客に対しても商品に興味を持たせる環境を提供し続けています。
>>公式サイト https://allyours.jp/
9. LANTINAM(ランティナム)
LANTINAM(ランティナム)は、元乃木坂46のメンバーで、現在『BAILA』のレギュラーモデルを務めるほか、女優、タレントと幅広く活動する松村沙友理さんが手掛けるD2Cファッションブランドです。
Lantinamは、“七変化”という和名をもつ花のことであり、ランタナが由来になっています。
"どんな瞬間でもその魅力を咲かせる、目が離せない存在"をコンセプトに掲げています。
プロデューサーの松村沙友理さんが実際にアイテムを着用し、Instagramでクリエイティブに発信することで、ブランドの世界観に共感するファンを獲得し続けています。
>>公式サイト https://lantinam.jp/
コスメブランドのD2C成功事例
10. BULK HOMME
BULK HOMME(バルクオム)では、男性用の化粧品を取り扱っており化粧品、洗顔料や乳液などさまざまな商品があります。ブランドの世界観「BULK(中身)で勝負する」やその背景にあるストーリーを発信するマーケティングスタイルが同社の強みと言えるでしょう。
また、イメージを統一させるために、ECサイトや商品パッケージ、SNS、モデルまですベて洗練されています。ターゲット層は20代〜30代の男性で、デジタルコンテンツに慣れている世代ということもあって、ブランド認知の追い風になっています。
CMで木村拓哉氏を起用し話題になったことで、2020年の売り上げは前年比の1.5倍と好調なブランドです。
>>公式サイト BULK HOMME
D2C事業で成功しているブランドの特徴
これらの成功しているブランドにはどのような特徴があるのでしょうか?では、実際にD2Cで成功したブランドの特徴を紹介していきます。ポイントは以下の3つです。
- 世界観やストーリーをユーザーと共有している
- SNSを積極的に運用している
- 顧客体験の提供がうまい
順番に解説します。
世界観やストーリーをユーザーと共有している
D2C事業を成功させるためにはブランドイメージの確立が最も大切な課題です。基本的にD2C事業では自社ECサイトを使っての販売となるためAmazonや楽天などの大型のプラットフォームによる集客効果は望めません。
このことから、D2C事業を成功させるには、ブランドの世界観やストーリーをユーザーと共有するのが最善策となります。具体的な共有の仕方としてはECサイト・SNS、実店舗を使って世界観を作ることが大切です。顧客と世界観を共有できれば、ブランドイメージもだんだんと浸透していきますし、より伝わりやすくなります。
SNSを積極的に運用している
D2Cブランドでは商品開発や店舗運営などユーザーの声を積極的に取り入れながら行っているケースが多いです。具体的にはSNSを使用して、「A商品とB商品のどちらを使いたいか?」というアンケートや「人気商品ランキング作成のための消費者投票」のお願いなどユーザーの求める商品を視覚化していきます。
さらに相乗効果としてSNSで顧客と密にコミュニケーションを取ると、ブランドが認知されやすくなり、ファン獲得にもつながります。
顧客体験の提供がうまい
D2Cでは商品の開発〜販売までを自社で管理しています。そのため商品を認知してからすべての工程で「顧客体験(CX)」の提供ができます。具体的には、「Webサイトの利便性」や「インフルエンサーによる商品レビュー」、「ブランドイメージが伝わりやすいオンライン広告」などです。
D2C以外の事業では商品開発は自社で行っても、その他の工程は別の企業が担当するのが一般的でした。しかしD2Cでは生産〜販売までの全工程を自社で担当します。その過程でブランドの世界観をうまく共有することで、さらなる顧客満足度アップが望めるでしょう。
D2Cを成功に導くためのプラットフォーム紹介
ここでは自社ECサイトを構築するためのプラットフォームについて見ていきましょう。
BASE
月額料金や年会費などを支払わずに無料でネットショップを開設できます。サポート体制も充実しており、商品が売れた時にサービス料や決済手数料が引き落とされます。
https://thebase.in/
STORES
スマホから簡単にネットショップを開設できます。料金プランは無料のフリープランと月額1980円のスタンダードプランです。決済手数料がフリープランでは5%、スタンダードプランでは3.6%となっています。
https://stores.jp/
Shopify
Shopifyはカナダの企業で世界175ヵ国で利用されています。デザインの種類も多く高機能なのが魅力です。利用にあたっては初期費用はかからず、月額料金だけを支払います。手軽にサイト構築できるため初心者にもオススメです。
Shopify
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まとめ
この記事ではD2Cブランドの成功事例について紹介しました。D2Cではお客さまと直接やり取りをすることから、距離感が近くなりコミュニケーションをとる頻度も多くなります。ユーザーの声を真摯に聞いて積極的にサービスに反映させるのが成功への近道です。
魅力的なブランドイメージを作り、ファンを紐付ければ目標達成まであと少しです。D2Cブランドは最近注目を浴びている事業スタイルで、インターネットの普及によりさらに市場は拡大するものと考えられます。ぜひ、この記事で紹介した成功事例を分析し、事業展開に活かしてください。
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