目次
収入源を多様化させ、自社の規模を拡大させたいと考える企業は増加しています。長い目で見ても、収益の柱が一本だけだと、市場の変化や競合の影響を受けやすく、経営の不安定性が高まってしまうおそれがあります。
そのため、企業を大きく成長させるには新規事業の立ち上げが欠かせません。そこで
「新規事業を成功させたい!」
「何から手をつけたらいいのかわからない・・・」
そんなあなたに、この記事では新規事業を立ち上げるメリットや途中で失敗させないコツ、新規事業立ち上げの大まかなステップについて実際の事例を交えてご紹介します。ぜひ、新規事業立ち上げの3つのコツを参考にし、事業に取り組んでみてください。
新規事業を立ち上げる3つのメリット
新規事業の立ち上げには膨大なコストがかかるため、失敗すれば大きな損害を受けると感じている方も多いでしょう。しかし、新規事業の立ち上げにはそれを上回るメリットがあります。成功すれば、企業の成長や収益の大幅な向上を実現でき、新たな市場や顧客層を開拓することができます。
その1:新規事業の重要性(メリット)収益の柱を増やせる
新規事業を立ち上げることで、企業は収益の柱を増やすことができます。ひとつの事業に依存せず、複数の収益源を持つことは、収益の安定性を確保することにつながります。その結果、人や物への投資額を増加させ、さらなる成長にも繋げることができます。
その2:長期的なリスクヘッジになる
新規事業を立ち上げることは、企業の長期的なリスクヘッジになります。単一の事業領域や市場に依存せず、複数の事業分野で収益を確保することで、リスクを分散させることができます。これにより、もし市場の変化や競合の影響を受けても経営の安定感を保つことができます。
その3:次世代の優秀な人材を育成できる
新規事業の立ち上げは、次世代の優秀な人材を育成する機会にもなります。新しい事業領域や市場に挑戦することで、社内の従業員はリーダーシップ、マネジメントなどの新たなスキルを習得し、成長することができます。
中小企業の新規事業立ち上げ成功率は低い!
新規事業立ち上げを成功させるには、アイデアを構築し、それを形にして事業化させ、収益化させなければなりません。
中小企業庁が2016年に実施した「中小企業の成長に向けた事業戦略等に関する調査」によると、「新規事業に成功した」と報告した企業は全体の約36%でした。
その中で、さらに経常利益率が増加した企業は約51%です。
このことからも、新規事業を立ち上げ、実際に収益を出すことの難しさが窺えます。
【参考:新事業展開の促進】
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H29/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap3_web.pdf
新規事業立ち上げが失敗する2つの原因
では、なぜ新規事業の立ち上げは成功しづらいのでしょうか。
新規事業の立ち上げには大きなコストがかかるため、失敗はできるだけ避けるべきです。
新規事業の立ち上げは、アイデアを作り上げ、それを形にして事業化し、収益化して初めて成功と言えます。しかし、この過程には多くの落とし穴が存在します。多くの企業がよく陥りがちな失敗例として、主に以下の要因が考えられます。
テーマが現実的でない
新規事業のテーマについて、実現させることが現実的に難しい場合、途中で計画が折れてしまう可能性が高いです。
事業のコンセプトやアイデアが実現可能かどうか、市場で受け入れられるかどうかを慎重に検討する必要があります。
規制が多く、新規の参入が難しい
一部の業界や市場では、規制が多く、新規の参入が難しい場合があります。特に規制が厳しい業界では、大手企業が業界のほとんどを占めており、新規事業の立ち上げが妨げられる可能性があります。
また、市場の障壁が高い場合、競合他社との競争が激化し、新規事業が成功するのが難しくなります。
新規事業立ち上げの実際の流れ5ステップ
新規事業の成功率が低いことはよく知られていますが、実際に成功した企業はどのような流れで立ち上げを行っているのでしょうか。
この記事では、弊社クオーツが得意とするD2C(Direct to Consumer: 製造者がダイレクトに消費者に販売をする商品設計)の新規事業立ち上げとブランディングの作り方について、弊社が取り組んだ日本酒「伏見乃」の事例で紹介したいと思います。
まず、このプロジェクトの発端は京都の酒米を生産する会社様から、京都のみで生産される酒米「祝(いわい)」を使って何か新規事業を作れないか、という依頼でした。
新規事業を立ち上げる際に必要なステップを大きく分けると、以下の通りになります。
- 経営資源を分析する~PEST・SWOT分析
- 製品戦略を考える~ペルソナ分析、4P分析
- 市場調査を行う〜3C・ポジショニングマップ
- 製品を作る
- EC(ネットショップ)で売る
経営資源を分析する~PEST・SWOT分析
経営資源とは、企業が事業活動を行うために必要な基本的な要素や資源のことを指します。
新規事業を立ち上げるとき、自社の強みを活かすために、まずは会社の強みを整理することが重要です。例えば、その会社は「人が整ってること」が強みなのか、「情報やノウハウがあること」が強みなのか、「予算をかけられること」が強みなのか、などいろいろな視点から会社の強みがどこにあるのかを判断します。
弊社では、決算書ベースの財務的観点や、既存仕入れ先や特殊な調達ルート、販売先へのチャネルの保有をしているかなど、競合優位性がどこにあるのかを様々な観点から判断しています。
製品戦略を考える~ペルソナ分析、4P分析
会社の強みを整理した次は、製品そのものの戦略を立てる必要があります。
今回の事例では、背景として「京都の中では比較的メジャーな日本酒だが、京都の外に出ると急にマイナーになってしまうという日本酒が多く、いわゆる全国的に有名なハイブランド、ラグジュアリーのような高単価の日本酒があまり存在していない」という状況がありました。
このことに着目して、ハイブランドの「日本酒ブランド」を作っていきませんか、という提案をしたことから、この日本酒「伏見乃」D2Cプロジェクトは始まりました。
製品戦略を立てるにあたって使用するフレームワークとしては、ペルソナ分析、4P分析などが挙げられます。
外部環境(政治、経済、社会、技術)や内部状況(強み、弱み、機会、脅威)を分析することで、どんな製品を打ち出すのか戦略を立てましょう。
市場調査を行う〜3C・ポジショニングマップ
市場規模と競合会社のリサーチを行います。市場調査を通じて、競合他社や顧客の動向、市場のニーズや傾向を把握します。3C分析(顧客、競合、企業)やポジショニングマップを作成して、競争力のあるポジションを見つけます。
そもそも市場規模が小さい場合はスケール観点で懸念があるため、弊社ではそういった場合、想定されるマーケットシェア率を仮定した場合の売上と想定の利益を試算した上でクライアントに納得を持っていただき事業立ち上げの進行を行います。
また、ある程度の市場規模があるビジネスにおいては競合が存在するため、こうした競合のサービスの強みは徹底的に調査しています。
【ポイント】その事業で解決できる課題やビジョンを明確にする!
経営資源の分析、製品戦略を通して、新規事業の目的やビジョン、最終的なゴールを明確にしておくことが大切です。
なぜその事業を始めるのか、どのような価値を提供するのかを定義します。
最終的なゴールや目的などの「軸」を定めることは、関係者のモチベーションがあがり、新規事業に携わる新たな人材の確保にもつながります。
今回の事例では、課題、解決策、ビジョンを以下のように設定しました。
課題
「自社で生産している京都と食材(特に酒米)を使った新しい事業創出を行いたい」
解決策
「地産地消の酒米ブランドを使ってハイブランド日本酒を作る」
ビジョン
「地産地消の酒米ブランドからアジア圏へ、京都発の日本酒ブランドを広げる」
製品を作る
上記のリサーチフェーズを経ると、自社の強み×購買者のニーズが重なる「事業のタネ」が生まれます。
リサーチを終えると、実際に製品を作っていきます。この事例では、ビジュアルのムード政策→ロゴデザインの作成→ロゴを元にパッケージデザイン
の順番で作成しています。
製品が完成していく実際の流れについての記事はコチラ!
【D2Cブランド構築の裏側公開!ブランディング会社の成功事例から学ぶ】
https://qrz.co.jp/blog/d2c-branding-fushimino/
EC(ネットショップ)で売る
製品が完成したら、最後にECで売り出します。
弊社での目安の制作スケジュールは3ヶ月〜5ヶ月です。
スケジュール感は商品の数(サイトボリューム)によって増減しますが、この事例のように1本の日本酒だけを売りたい場合だと3ヶ月程度で制作できます。
新規事業立ち上げを失敗させない3つのコツ
新規事業に全力で取り組んでくれる人材をアサインする
新規事業立ち上げの際に、能力の高い人材を優先的にアサインする企業が多いです。しかし、それ以上に、新規事業の成功には「全身全霊で取り組む、熱意のある人材」の存在が不可欠です。結果として、そのような人材の熱意ややる気に影響を受けて周囲の人材もモチベーションが上がることが多く、成功率も上がります。
目標数字や投資額が現実的か判断する
新規事業を立ち上げる際には、目標数字や投資額を現実的に見積もることが重要です。
高すぎる目標や投資額を設定すると、目標の達成や投資の回収が困難になる可能性があります。実現可能な目標を設定し、効果的に資源を活用することが成功の鍵です。
顧客のニーズを妄想で決めない
新規事業を立ち上げる際には、顧客のニーズを妄想で決めてしまってはいけません。市場調査や顧客インタビューを通じて、実際の顧客のニーズや要求を把握することが重要です。
顧客との密接なコミュニケーションを通じて、製品やサービスを開発し、顧客満足度を高めることが成功の鍵です。
数字につながるデザイン
弊社クオーツでは、「ただデザイン成果物を作る」ということではなく「戦略作りやマーケティング」といった観点を取り込み、よりクライアント様に寄り添ったデザインを提供しております。
実際に、他社よりも高い成果(問い合わせが増えた、受注数が増えた)という評価を頂くこともあり、クライアント様のパートナーとして数値の成果を追求するという点が弊社クオーツならではの強みです。
他社の見積もりを取ると2500万円以上になることも多いと思いますが、弊社クオーツでは2〜3割引きの価格帯でD2C立ち上げの新規事業ブランディングサービスを提供しています。
見積もりに関しては、クライアント様の想定される予算に応じてあらゆる施策を講じ、柔軟にデザインの見積もりを作成させて頂きますので、ぜひ一度無料相談をご活用ください。
まとめ
この記事では、新規事業を立ち上げるメリットや新規事業立ち上げの大まかな5のステップ、途中で失敗させないコツについて解説しました。
収入源を増やし、経営を安定させたい企業にとって、新規事業の立ち上げは不可欠な存在です。
しかし、実際は新規事業の立ち上げに成功している企業の方が少なく、規制が厳しく、参入が難しい業界や、現実的ではないテーマの事業であれば、失敗に終わってしまうこともあるでしょう。
そのため、最終的に事業の収益化まで成功させるには、徹底的なリサーチや戦略、スピーディーな事業の立ち上げが必要です。
この記事で紹介した新規事業立ち上げのステップは以下の通りです。
- 経営資源を分析する~PEST・SWOT分析
- 製品戦略を考える~ペルソナ分析、4P分析
- 市場調査を行う〜3C・ポジショニングマップ
- 製品を作る
- EC(ネットショップ)で売る
新規事業の立ち上げを成功させるには「現実的な目標設定、ビジョン」「全身全霊で事業に取り組む熱意のある人材」「妄想だけでなく実際のニーズを収集する誠実さ」の3つの要素が必要です。弊社クオーツでは、「ただデザイン成果物を作る」ということではなく「戦略作りやマーケティング」といった観点を取り込み、経営資源の分析や行動計画をつくるところからクライアント様と一緒に事業を作りあげています。
新規事業の立ち上げについて困りごとがある方は、ぜひ一度無料相談をご活用ください。
ビジネスの課題を解決したい方はお気軽にご相談ください。
クオーツは、デザインの力を最大限活用しながら、課題の解決と成長の加速に貢献します。クリエイティブ・マーケティング・テクノロジーの視点から事業開発、体験の設計、システム設計などを、一貫した体制でサポートしています。
SNSでシェアする
ビジネスの課題を解決 したい方はお気軽にご相談ください。
クオーツは、デザインの力を最大限活用しながら、課題の解決と成長の加速に貢献します。クリエイティブ・マーケティング・テクノロジーの視点から事業開発、体験の設計、システム設計などを、一貫した体制でサポートしています。
1
ECサイトの運営に課題を感じている
クリック率改善などの導線設計が可能です
2
20代~30代の顧客を取り戻したい
若い世代に選ばれるブランド作りが得意です
3
顧客単価 / 継続率をあげたい
LTV向上のマーケティング提案もできます