目次
D2Cビジネスにおいてのメリットは?マーケティング手法や注意点も紹介!
この記事では、これからD2Cマーケティングに挑戦する方に向けて、D2Cのマーケティング手法やメリットデメリット、勉強するのにおすすめな本などを紹介しています。
・D2Cマーケティングの担当を任された
・D2Cマーケティングに挑戦したいと思っている
・初めてD2Cマーケティングの勉強におすすめな本を知りたい
上記に該当する方にとっては必見の内容なので、ぜひ最後までご覧ください。
D2C(Direct to Consumer)とは
それでは最初に、そもそもD2Cと呼ばれる販売手法とは何なのかについて紹介します。
D2Cとは、メーカーが商品を直接消費者へと販売する販売手法のことを指す言葉です。日本語では「メーカー直販」と呼ばれることもあります。
商品やサービスは、コンビニやスーパー、家電量販店などを想像すればわかりやすいですが、小売店がメーカーへと商品の仕入れをし、それを消費者へと販売する方法が一般的でした。通販の場合は、Amazonや楽天市場などのECモールもこれに当たります。
しかし、現在はそのような小売店やECモールを介することなく、メーカーが自社のECサイトなどを開設して直接消費者へと商品を販売するビジネスモデルが広まってきました。
このように、小売店を介することなく、メーカーが直接消費者に商品を販売する手法をD2Cと呼びます。
D2CとB2Cの違い
D2Cと似ている言葉にB2Cという言葉があります。
B2CはBusiness to Consumerの略で、企業から消費者へと商品やサービスを提供するビジネスモデルのことを指します。
一見するとD2Cと同じビジネスモデルに見えるかもしれませんが、B2Cは企業と消費者の間に小売店や卸売業者が仲介している場合もこれに該当します。
そのため、D2CはB2Cの一環であると言えます。D2CとB2Cは全く異なるビジネスモデルではなく、両者の意味をしっかり理解しておくことが大切です。
D2Cマーケティングのメリット
ここでは、D2Cマーケティングを導入するメリットを全部で4つ紹介します。
それぞれのメリットをしっかりと理解して、最大限活かせるようにしましょう。
収益性が高い
小売店やECモールなどの仲介を挟まないD2Cではマージンや仲介の手数料が発生しないため、収益性がとても高いです。
ECモールを利用することは、自社でサイト作成や運営をする必要がないため、とても便利かもしれませんが、10%近い手数料を取られることも不思議ではありません。
そこでD2Cで商品を販売することによって、余計なコストをかけることなく消費者に商品を届けることができるようになるので、収益性が高くなります。
収益性が高まれば、その分価格を安くすることもできるようになるでしょう。価格が安くなればその分多くの消費者に自社商品が届くようになり、顧客の数が増えることによって、ビジネスの規模は大きくなっていきます。
コストを抑えながら収益性を高められるのはD2Cの大きなメリットです。
販売方法の自由度が高い
D2Cは消費者に直接商品の販売をするため、その販売方法に制限がありません。
小売店やECモールを介する場合は、そちらの都合があるため、販売方法には制限がありますが、D2Cならどんな販売方法をしても構いません。
小売店やECモールで販売される場合は、自分たちの予期していない形での売り込みがされてしまったり、魅力を全然生かされない形で競合商品と比較されてしまうことも珍しくありません。
一方、D2Cならば商品の魅力を一番わかっている自社の人間が直接消費者に売り込みをかけることができます。
また、自社のECサイトを使う場合は、販売ページのデザインも好きに決められますし、独自のキャンペーンを開催することもできるため、オリジナリティを高めることができます。
消費者と直接コンタクトを取れる
消費者との距離が近く、直接コンタクトを取れるのは他のビジネスモデルにはないD2Cの強みです。
D2Cを採用することでメーカーとしては、消費者との距離が近い方がダイレクトに感想や口コミを集めることができます。また、消費者としても商品の製作者との精神的な距離が縮まっているので、メーカーに対して率直な意見を言いやすく、信頼関係を築きやすいです。
消費者からの率直な意見を参考に商品を改良してニーズに答えれば、売り上げアップにも繋がりますし、意見を反映したことによって、消費者からの信頼もより高まります。
小売店やECモールで商品を購入するよりも、精神的な距離が近くなるD2Cなら、親密なファンを獲得しやすくなるので、とてもおすすめです。
顧客データの管理がしやすい
消費者と直接取引をするD2Cは、顧客のデータを直接収集でき、管理も全て自社でできる点が大きな強みです。
商品購入時の会員登録によって、メールアドレスなどの個人情報を収集できれば、その後もメールを使ってクーポンの配布をしたりなど、長期的なアプローチもしかけることができます。
しかし、Amazonや楽天市場のようなECモールで出店している場合、顧客の属性やサイト内での動きなどの情報を完全に管理することはできません。
これらのような顧客情報を分析し、それを商品の開発や自社ECサイトの改善に活かすことによって、さらに売り上げを伸ばせるようになります。
D2Cマーケティングのデメリット
上記のような4つのメリットがあるD2Cマーケティングですが、デメリットもいくつかあります。
ここではD2Cマーケティングのデメリットを2つ紹介しますので、こちらも必ず確認しておきましょう。
集客までに時間がかかる場合がある
知名度の高い小売店やECモールを仲介するビジネスモデルとは異なり、自社ECサイトなどを使って商品を販売するD2Cでは、1から集客をしなければなりません。
今や多くの人がAmazonや楽天市場などのECモールを利用していますが、まだ規模の小さい自社ECサイトの場合は、利用以前に名前すら知らないという人も当然ながらたくさんいます。
どれだけ魅力的な商品を販売していても、ECサイトへの訪問者がいなければ商品が売れることはありません。まずはWebマーケティングなどを駆使して、ECサイトへの訪問者を増やすところから始める必要があります。
そのため、D2Cは短期的に成果を出すことが難しく、中長期的に計画を立てなければなりません。D2Cは集客に時間がかかることを必ず意識しましょう。
ECサイトの運用コストがかかる
D2Cを導入する場合、ECサイトの立ち上げから運用まで全て自分で行う必要があります。もし自社にサイト作成や運用のノウハウがない場合は、外注しなければならないので初期投資が必要です。
それ以外にも、D2Cの場合は商品の注文が完了した後の確認メールの送信や商品の梱包、発送なども全て自社で完結させる必要があります。
ECモールで出品していた場合は、それらの業務は一切不要でしたが、D2Cの場合はその分の人員や費用が必要になります。
初期投資が必要になるのは、今まで他の業者にお願いしていたものを自社で完結させるとなった以上、仕方のないことです。
この投資をせずにD2Cを無理やり導入してしまうと、出荷や配送などの対応の遅れが生じてしまいます。
顧客により良い体験をしてもらうためにも、D2Cの導入をする際には初期投資が必須であると意識しておきましょう。
D2Cマーケティングの手法
D2Cは、自社ECサイトを使って商品の販売を行うことが基本であるため、マーケティングはWeb上で行うことがほとんどです。
ここでは、D2Cのマーケティングに使われる手法を全部で4つ紹介します。Web上で行うものが主となりますが、最後に1つオフラインで実施される手法も紹介していますので、必ず確認しておきましょう。
SNS
TwitterやInstagram、TikTokなどのSNSにて自社ECサイトのマーケティング活動を行うSNSマーケティングは、D2Cビジネスを展開していく上で必須です。
SNSの利用者は常に増加しており、ICT総研が実施した「2022年度SNS利用動向に関する調査」では、SNSの普及率は82%にものぼるという調査結果が出ています。
絶え間なく情報が流れ続けるSNSなら、マーケティング目的で発信した情報が消費者の目に留まる可能性が限りなく高いので、自社ECサイトの存在を認知してもらいやすくなります。
また、SNSマーケティングは広告を掲載したりしない限りは無料でできるので、ターゲットの属性に合わせてSNSを選んでアカウントを作成しましょう。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、自社で運営するWebメディアのことです。個人のブロガーが運営しているブログの企業版と考えるとわかりやすいでしょう。
自社ECサイトで販売している商品の紹介をする記事やSEO対策をしてインターネットユーザーの目に留まりやすくすることによって、高いマーケティング効果を期待できます。
投稿する記事の内容に決まりはありませんが、自社商品を買ってもらえるように魅力を最大限に紹介できる内容だと、売り上げアップに繋がります。商品の魅力だけではなく、使い方や豆知識なども一緒に紹介できると、消費者の興味をより刺激することができるでしょう。
また、オウンドメディア以外にYouTubeチャンネルを開設してみるのもおすすめです。
YouTubeチャンネルにて商品紹介の動画を投稿すれば、テキストや写真だけではなく映像で商品の魅力を感じられるので、高いマーケティング効果が期待できます。
KOL(Key Opinion Leader)
KOLとは、特定の分野における専門性が高く、消費者の商品購入に対して影響力を持っている人のことを指します。
元々は医療業界において広く影響力を持っている医師のことを指す言葉でしたが、現在では医療業界に限らずさまざまな分野で使われるようになりました。
YouTuberやインスタグラマーのようないわゆるインフルエンサーと似ている印象を抱く言葉ですが、インフルエンサーとの違いは「商品に対する専門性」があることです。
そのため、インフルエンサーよりもKOLの方が消費者の購買意欲に対する影響力は大きいので、KOLに商品を紹介してもらうことで高いマーケティング効果を期待できます。
ポップアップストア
普段ECサイトのみで商品を販売している場合は、定期的にポップアップストアとして期間限定の直営店を出店することによって、新規顧客の増加を狙うことができます。
オフラインでお店を出せば、たまたま通りかかった人以外や「ECサイトは使ったことがないけど、店舗が出るなら行ってみたい」という潜在的な顧客を集めることもできます。
期間限定なら運営コストも安く済みますし、実物を手に取ることで商品を気にってもらえる可能性も高まります。
出店タイミングは、ECサイトの知名度が上がって軌道に乗ってきた頃がおすすめです。そちらの方が単純に高い集客人数が見込めることと、ストア出店の情報をSNSで発信した際の拡散力も高くなるためです。
上記4つの手法よりもコストはかかるものの、高いマーケティング効果を期待できるので、ECサイトが軌道に乗ってきたら検討してみましょう。
D2Cマーケティングの勉強におすすめの本
それでは最後に、これからD2Cマーケティングに挑戦する人が勉強するのに読んでおきたい本を紹介します。
何冊も紹介して、どの本が良いのか迷ってしまっては良くありませんので、1冊だけ紹介します。
『顧客をつかんで離さないD2Cの教科書』(角間 実)
『顧客をつかんで離さないD2Cの教科書』では、第1章にD2Cビジネスを展開している企業の中でも特に成果を出している4つの企業にインタビューを行い、どこに成功のポイントがあったかを紹介しています。
その後の章では、D2Cに関する説明やノウハウが紹介されています。実際に現場で活躍したノウハウが紹介されているので、自社のビジネスに落とし込むイメージがしやすく、参考になるポイントがとても多いです。
D2Cの基礎を身につけるための入門書としておすすめの1冊です。
まとめ
この記事では、D2Cを導入するメリットやデメリット、マーケティング手法について紹介しました。
D2Cはこれまで小売店やECモールにて商品を販売していた企業にとっては新しい挑戦で、不安な要素も多いと思いますが、上記で紹介したように収益率の高さや販売方法の自由度の高さ、消費者との距離の近さが特徴的です。
また、初めてD2Cの勉強をする際には紹介した書籍も参考にしてみてはいかがでしょうか。
D2Cを導入して、自社商品の売り上げをアップさせましょう。
ビジネスの課題を解決したい方はお気軽にご相談ください。
クオーツは、デザインの力を最大限活用しながら、課題の解決と成長の加速に貢献します。クリエイティブ・マーケティング・テクノロジーの視点から事業開発、体験の設計、システム設計などを、一貫した体制でサポートしています。
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