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D2Cブランド構築の裏側公開!ブランディング会社の成功事例から学ぶ

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新規事業を作って、売上を立て直したい
弊社は新規事業開発やブランディングを企画つくりから商品を売るところまで一貫して行っているため、そういったお声をいただくことも多いです。

これまでブランディングは付加価値的なものと考えられることも多かったですが、今や事業成長とブランディングは切っても切り離せないものとなっています。

今回は弊社クオーツが得意とするD2C(Direct to Consumer: 製造者がダイレクトに消費者に販売をする商品設計)の新規事業立ち上げとブランディングの作り方について、弊社が取り組んだ日本酒「伏見乃」の事例を紹介したいと思います。



プロジェクトの背景
このプロジェクトの発端は京都の酒米を生産する会社様から、京都のみで生産される酒米「祝(いわい)」を使って何か新規事業を作れないか、という依頼でした。

お話を頂いたとき、弊社代表の松江が日本酒好きということもあり、真っ先に頭の中に浮かんだのが「ハイブランドの日本酒」を作ることでした。

もともと、背景として京都の中では比較的メジャーな日本酒だが、京都の外に出ると急にマイナーになってしまうという日本酒が多く、いわゆる全国的に有名なハイブランド、ラグジュアリーのような高単価の日本酒があまり存在していない状況がありました。このことに着目して、ハイブランドの「日本酒ブランド」を作っていきませんか、という提案をしたことから、この日本酒「伏見乃」D2Cプロジェクトは始まりました。

ゆくゆくは、「伏見乃」を京都発の日本酒ブランドとして世界へ売っていくんだ!という思いをもって進めていきました。

これまでは「地元民に飲まれるだけのお酒」を作っていたことから「本当に、世界に届けていけるのか?」という不安の声が農家さんや酒蔵さんからもあがっていましたが、プロジェクトを進めていく中で、酒米を作っている農家さんも、お酒を作っていただいている酒蔵さんも含めて、世界中にこの日本酒「伏見乃」を持っていこう、という思いが一致してビジネスが進んでいる最中です。

この記事ではイチからD2Cの新規事業を作っていく様子をブランディングの重要性とともにお伝えできればと思います。



課題
「自社で生産している京都と食材(特に酒米)を使った新しい事業創出を行いたい」

解決策
「地産地消の酒米ブランドを使ってハイブランド日本酒を作る」

ビジョン
「地産地消の酒米ブランドからアジア圏へ、京都発の日本酒ブランドを広げる」

事業戦略をどのように組み立てるのか

弊社クオーツでは通常、事業戦略(今回でいうとそもそも、日本酒に勝ち目があるのか、あるとしたらどんな日本酒を作るのか)については「社内資産(リソース)」「市場規模のリサーチ」「ニーズのアンケート」の3つの観点から行います。

社内資産(リソース)の調査をする

新規事業を立ち上げるとき、まずは会社の強みを整理することが重要です。例えば、その会社は「人が整ってること」が強みなのか、「情報やノウハウがあること」が強みなのか、「予算をかけられること」が強みなのか、などいろいろな視点から会社の強みがどこにあるのかを判断します。決算書ベースの財務的観点や、既存仕入れ先や特殊な調達ルート、販売先へのチャネルの保有をしているかなど、競合優位性がどこにあるのかを様々な観点から判断しています。

市場規模と競合をリサーチする

次に、市場規模と競合会社のリサーチを行います。そもそも市場規模が小さい場合はスケール観点で懸念があるため、その場合は想定されるマーケットシェア率を仮定した場合の売上と想定の利益を試算した上でクライアントに納得を持っていただき事業立ち上げの進行を行います。また、ある程度の市場規模があるビジネスにおいては競合が存在するため、そうした競合のサービスの強みをリサーチして分析します。

ニーズをアンケート調査する

そして次に行うのが、購買者のニーズや課題を資料にまとめて落とし込むことです。
今回のような日本酒「伏見乃」であれば、なにか課題感があるから買う、ということはあまり考えず、購買者のニーズを中心に調査します。
つまり、どのようなシーンで求められる日本酒であるべきかを言語化して整理し、明確にしていきます。

これらのリサーチフェーズを通して、事業計画とともにブランドコンセプトや、販売・認知戦略を立てます。
弊社ではマーケティングはブランディングと並行して行うことも多いです。

ブランドをどう設計するのか

リサーチフェーズを経て、自社の強み×購買者のニーズが重なる「事業のタネ」が生まれます。
ブランド設計はこのタネを育てるためのたくさんの栄養のようなものです。

大きく「ブランドDNA」「ビジュアルアイデンティティ」の2つに分かれます。

「ブランドDNA」と弊社クオーツで呼んでいるものは「このプロダクトに関わる全ての人たちが同じ方向性に向かえる共通言語を作る」ためにあります。

コンセプトメッセージを言語化する

こうしたコンセプトフェーズにおいてクライアント様と進めていくのはインタビューのような打合せです。
クライアント様の商品の市場や、競合商品のリサーチを踏まえて、その「ブランド自体の独自性」になり得る要素を整理します。

こうした活動を通して、見えてくる「キーワード」をブランドとして一貫して伝えるためのコンセプトメッセージを言語化します。

こういうのをやりたいとか、ゆくゆくは海外展開もしたいとか、このお米を使って何かやりたい、という思いやビジョンは皆さんあるものです。これをどう伝えるか、言語化する作業がメインとなります。

今回の日本酒「伏見乃」においては、次のようなコンセプトメッセージにまとめました。


ブランドプロミスを決める

わかりやすく言うと、これは絶対やらないですよとか、これだけは守りますという「ブランドの約束」のことです。今回の日本酒の場合は「完全無農薬の超自然派日本酒」というのがバリューですから、添加物を入れることは避けます。これは少し大げさな例ですが、ブランドプロミスはこういうことを指します。

やらない事を決める、のは難しいとよく言われることですが、コンセプトがしっかり決まればそこまでぶれるものでもありません。
やらない事を決めようとすればたくさんあるため、もっともコアになるものを3つくらい決めます。

今回は、ブランドコンセプトにまとめて「プロローグ」というメッセージとして打ち出したのですが、ブランドプロミスを明確に決める場合もあります。

ブランドDNAを策定するスケジュール

およそ、1ヶ月〜3ヶ月くらいです。
この段階において重要なのは関係者へのコンセプトの浸透です。そのため、クライアント様の状況や組織規模によっては時間がかかってしまうこともあります。

こうして、ブランドDNAが決まると、それを体現するためにビジュアルとして目に見える形にして作り込んでいきます。ECサイトやSNSのようなデジタルデザイン、商品パッケージはもちろん、商品の同梱するメッセージカードなどUX観点からも統一したブランドを実現していきます。

ビジュアルはムード制作から行います

リサーチとコンセプトフェーズを経て、ここでいよいよムードと呼んでいる「プロダクト全体の雰囲気」をビジュアライズしていきます。

商品の画像だけではなく、商品が使われるシーン、商品を取り巻くステークホルダーや素材などのイメージを擦り合わせていきます。

今回の日本酒「伏見乃」の場合だと、「京都」「お祝い」「寄り添い」「貴重なお米」というキーワードから下記のように、田んぼの力強さや、誰かと酌み交わすシーンなどを取り入れたムードボードを作成しました。


※一部、モザイク処理をしております

ロゴデザインの制作

販促物は大きく分けて「ロゴ」「商品パッケージ」「ECサイト」の3つに分けられます。
中でもロゴは商品パッケージにもECサイトにも使われるため、最初に作ります。

コンセプトを元にロゴをつくる

ここまでコンセプトとムードが決まってくると、ロゴの形は自ずと見えてきます。
弊社クオーツでは手書きラフの段階でクライアント様と方向性の擦り合わせを行っています。






そうして最終的にできあがったロゴがこちらです。




ロゴを元に商品パッケージデザインをつくる

まず大前提として必要なのが美しさです。その上で、このブランドのコンセプトがよく伝わるか、を重視します。

例えば真っ黒とか、よくわからない柄というのはダメです。
雰囲気的に「祝」のおめでたさが伝わることが今回のパッケージデザインで重視したポイントです。

今回ブランドとしてお米がすごく重要なポイントになってくるため、酒米「祝」の稲穂の判をとってラベルに落とし込んだデザインが最終的には採用されました。無垢な紙を使うことで超自然派日本酒というイメージを損ねないように紙質にもこだわりがあります。







ECサイトの制作

目安の制作スケジュールは3ヶ月〜5ヶ月です。
スケジュール感は商品の数(サイトボリューム)によって増減しますが、今回のように1本の日本酒だけを売りたい場合だと3ヶ月程度で制作できます。

ECサイトに載せる写真撮影

ロゴマーク入りの商品パッケージが出来上がると、ECサイトに載せる写真撮影を行います。

今回の日本酒の場合は撮影を3日間やっています。
酒蔵の撮影」と「田んぼの撮影」と「スタジオ撮影」と分けて行いました。

例えば、酒蔵や田んぼの撮影は出来上がった日本酒ではなく、その生産者や素材にこだわりがあるからこそ、間接的にそうしたこだわりを伝えるために田んぼの撮影を入れています。






ECサイトのブランディングの工夫

今回の場合は、「お祝いをするために買う日本酒」という部分の訴求を大切にして作ったECサイトです。

また、テキストライティングは、リライトを重ねて工夫したポイントの1つです。

例えば、ECサイトのトップページ上で、ストーリーの文章で「京都府」と書いていたところをあえて「京都」と削り、半角スペースを入れることで語感を軽やかにしています。テキストの部分では、たった一文字であっても、どういう印象で捉えられるかという部分にこだわっています。

また交渉を行い、今回こだわったのが、一緒に作っている酒米の生産者、農家さんや酒蔵さんの紹介をECサイト内に入れたことです。これは他の高級日本酒会社がほぼやっていないことです。私たちがここを交渉した理由としては、「超自然」とこだわっている以上、素材だけではなく、生産者までも透明性を大事にしたかったからという思いからです。

もちろん、当初はOKが出ませんでしたが、この日本酒を一緒に作っているうちに自分たちも広めていきたいから、というように、今回の掲載が実現しています。

他社の日本酒と明らかに違うこだわった点で言うと、 生産者の法人名とか団体名だけではなく、個人名までが出ていることです。
京都伏見の地にどれだけ密接に関わって、この日本酒が作られているのかをアピールしたかったため、交渉を重ねて実現しました。



>「伏見乃」の販売サイトはこちら

弊社クオーツの強み

事業戦略からブランディング・マーケティングまで一気通貫でできるのが弊社クオーツの強みです。

今回のプロジェクトの相談を頂いたのが8月で、商品が出来上がったのが翌年の3月。ほぼ半年でこの日本酒「伏見乃」を作りました。
弊社は一見、デザインの会社に見えるかもしれませんが、細かいところで言えば、例えば物流の最適な設計まで一気通貫でできます。

このように担当者がコンパクトにまとまることによってスピーディーな新規事業の立ち上げが可能になっています。
新規事業のブランディングはやることが多いため、分業をしている会社だと全部を集めてから結合しないといけないという作業が発生するため余計コストがかかります。

他社の見積もりを取ると2500万円以上になることも多いと思いますが、弊社クオーツでは2~3割引きの価格帯でD2C立ち上げの新規事業ブランディングサービスを提供しています。

新規事業やD2Cを検討されている企業様がいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。


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クオーツは、デザインの力を最大限活用しながら、課題の解決と成長の加速に貢献します。クリエイティブ・マーケティング・テクノロジーの視点から事業開発、体験の設計、システム設計などを、一貫した体制でサポートしています。

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