目次
オリエンシートには、決まった型や正解がありません。だからこそ「何を書けばいいのかわからない」と難しさを感じることもあるかもしれません。
しかし、熱量や想いがしっかり伝わるオリエンシートを作ることは、プロジェクトを成功させるために不可欠です。
そこで、
「はじめて作ったオリエンシートに自信がない」
「オリエンシートに必須の項目ってなに?」
そんな方に、この記事では、よいオリエンシートの条件や具体的な作り方の手順について解説します。ぜひ、この記事を読んでご自身が作ったオリエンシートが「よいオリエンシート」なのか、もう一度確認してみてください。
オリエンシートとは?
オリエンシートとは、プロジェクトの狙いと、ステークホルダーに対する具体的な依頼内容を文書化したものです。IT関連では「Request for Proposal」の頭文字をとって「RFP」と呼ばれることもあります。
内容としては、商品やサービスの目的や企画の背景を明確にし、ターゲットとなる人やその定義、伝えたいメッセージや予算などを盛り込みます。オリエンシートに決まった型や正解はありませんが、プロモーションを実施する上での方針や思いを詳細に伝えることが必要です。
よいオリエンシートを書くとどんな効果が得られるのか
実現したいことが具体的にイメージできる
関わるメンバー間でイメージのズレを生じさせないために、実現したいことを明確にしましょう。具体的には、MISSION/VISION/VALUEを記載し、「企業」「サービス」「商品」が何を目指し、何を世の中に提供したいのかを、はっきりとイメージできる状態を目指しましょう。
関係者との共通認識ができる
企画を円滑に進めるには、まずは社内の関係者との共通認識を取ることが不可欠です。
最終決定権は上司や社長になります。ふわっとしたものではなく、漏れのない項目で、詳細まで文書化されたオリエンシートを作成することで、後から「こういうことをしたいわけじゃない」と指摘されてしまうことを防ぐことができるでしょう。
また、項目を埋めることができず、共通認識が取れなければ「一旦ストップするべき」という冷静な判断にも繋がります。
実現への思いや熱意が伝わり、受け手を本気にさせられる
同じサービスや商品でも、企画の背景や企業としての思いが伝わることで、受け手がどう感じ、どのような姿勢で取り組んでくれるのでしょうか。
オリエンシートを受け取ったステークホルダーの取り組み方には以下のようなパターンがあると想定できます。
- 「実現させたい」という思いや熱意に共感し、できるかぎり協力する。
- 必要な仕事をこなし、淡々と協力する。
- できるかぎりエネルギ―を使わないよう、必要最低限の協力にとどめる。
受け手に”共感”させ、全力で取り組んでもらえるようなオリエンシートが「よいオリエンシート」といえるでしょう。
送り手、受け手にとって「よいオリエンシート」とは?
プロジェクトを成功させるためには、送り手と受け手が一つのチームとして同じ目的を持って足並みを揃える必要があります。そこで「よいオリエンシート」には送り手、受け手それぞれの視点からどのような要素が求められるのかを解説します。
送り手の視点から
- 社内ステークホルダーとの調整がしっかりと行われ、経営層、上司、プロジェクトチーム、関連部署との合意形成が確立されている
- プレゼンテーションの評価軸、項目、方法が適切に検討されている
受け手の視点から
- NG案が具体的にある
- オリエンの方針や条件が明確であり、後からの依頼事項の追加や変更が発生しない
- 依頼内容の目的と条件が分かりやすく、詳細に記載されている
- 記載内容はシンプルで理解しやすく、不足や余分な情報がない
送り手、受け手双方にとって大切なポイントは「熱量」と「一貫性」があるかです。関係者全員が一つのチームとして足並みを揃えられるかどうか確認しましょう。
オリエンシートに必須の項目
では、具体的にどういう項目で作成するべきなのでしょうか。
企画の方向性を示すために必要な項目は以下の通りです。
- 企画の背景、課題、目的
- 商品コンセプト
- 商品特徴
- デザインイメージ
- 価格、エリア、時期
- ターゲット(ブランド、商品、サービスなど)とその特徴
- ターゲットのニーズ(インサイト)
- 目指すべきポジション
- 競合商品
- 予算
- 提案方法、条件
- NG事項
オリエンシートのテンプレート
よいオリエンシートをつくる手順とチェックポイント
最後に、具体的にオリエンシートをつくる手順と最終的なチェックポイントを解説します。
オリエンシートのつくり方の手順
準備段階
いきなりオリエンシートを書き始めようとすると、一貫性のないものになってしまったり、本来の趣旨からズレた内容、またはターゲットのニーズに答えられていない企画になってしまうことがよくあります。
そこで、オリエンシートを書くまえに「6W2H」を明確にしましょう。
6W2H
- 「When(いつ)」製品の販売時期や、サービスの提供時期、キャンペーンの情報解禁日
- 「Where(どこで)」どこで製品やサービスを提供するかという具体的な場所
- 「Who(だれが)」サービス提供元である組織や部署内の担当者
- 「Whom(だれに)」個人だけでなく、ターゲット層やペルソナ像まで
- 「What(なにを)」製品やサービス自体に加えて、付加価値やコンセプトも
- 「Why(なぜ)」ユーザーに製品やサービスを提供する目的や目標などのゴール
- 「How(どのように)」どのような方法で顧客に製品を知ってもらうのか
- 「How much(いくらで)」製品やサービスの値段に加えて、プロジェクト全体の各諸経費も
実際に項目を埋めていく
6W2Hで方針が定まってきたら、実際にオリエンシートの項目を埋めていきましょう。
- 変わらない事実、わかりやすい項目をまずは埋める
- 埋められなかった箇所について、再度情報を集める
- それでも自分で判断ができない場合は、チームや上司に状況を報告して相談する。
- 内容が煮詰まったら上司に判断を仰ぐ。
- 最終チェックの後、上司に提出する。
大体の手順はこのようになりますが「本当に発売する必要があるのか」「この方針で間違いはないか」など、組織のありたい姿をもう一度見つめ直すことも大事な答えの一つです。
無理やりオリエンシートを埋めてしまっていないか、冷静に判断したうえで企画を進めることが成功の鍵になります。
オリエンシートのチェックポイント
オリエンシートを提出する前に、チェックしておくべきポイントは以下の通りです。
- 社内での共通認識が取れているか
- 一貫性のあるないようになっているか
- 熱量と夢が伝わる内容になっているか
- 情報が最新のもので、正確であるか
まとめ
オリエンシートには、決まった型や正解がありません。そのため、かえって難しさを感じる方も多いでしょう。
そこで、どんなオリエンシートが「よいオリエンシート」といえるのかについて考えると、
社内外で共通認識が取れること
事情を知らない社外の人間にも企画の背景や熱意が伝わること
企画に一貫性があること
が挙げられます。プロジェクトを成功させるためには、企画を考案した送り手と、社外の関係者である受け手が一つのチームとして同じ目的を持って足並みを揃えることが大切です。
また、実際にオリエンシートを作る際は、まず「6W2H」を社内で明確にし、そこから具体的に項目を埋めていきます。最後に、オリエンシートを提出する前は、きちんとチェックポイントに当てはまった資料ができているか必ず確認しましょう。
この記事では、「よいオリエンシート」とはどんなものなのか、オリエンシートに必須の項目や、具体的な書き方の手順について、詳しく解説しました。ぜひ、この記事を読んでご自身が作ったオリエンシートが「よいオリエンシート」なのか、もう一度確認してみてください。
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