はじめに

あなたは、スーパーで商品を選ぶ際に、パッケージに惹かれて商品を購入したことはありますか？パッケージデザインは、商品の魅力を最大限に引き出すことができる重要な要素です。しかし、パッケージデザインをデザイン会社に依頼する場合でも、より良いパッケージデザインを作るためには、商品やブランドの特徴を理解し、消費者層のニーズやライフスタイルに配慮する必要があります。この記事では、「パッケージデザインってどうやって考えればいいの？」という方に向けて、パッケージデザインの考え方やプロセスを紹介します。何から手をつければいいかわからない方や、デザイン会社とのやり取りをスムーズに進めたい方は、ぜひ活用してみてください。

パッケージデザインの4つの要素

まず、パッケージデザインには、魅力を視覚的にアピールするための4つの要素があります。パッケージデザインの要素について理解することは、商品のブランディングに重要な役割を果たすことができます。パッケージデザインへの理解を深めるために、まずはその4つの要素について紹介します。

１.ファンクション

パッケージデザインの一番大切な要素は、「ファンクション」です。つまり、商品の特性や用途を考慮したデザインをするということです。例えば、食品や医薬品などは、保護や保存に重点を置いたデザインが必要になります。逆に、化粧品やファッションアイテムなどは、美しさや個性を表現するデザインが求められます。

２.ユニークさ

競合商品との差別化を考えると、パッケージデザインに「ユニークさ」を加えることが有効です。消費者が商品のパッケージを見た時、目を引くようなデザインや形、色使いが印象的な商品は記憶に残ります。このようなユニークさは、商品自体の価値を高めることができます。

３.テクスチャー

パッケージデザインには「テクスチャー」の要素も大切です。手触りや質感によって、商品のイメージや高級感を表現することができます。また、手触りや質感が商品の特徴をアピールすることもできます。例えば、健康食品のパッケージにはマットな質感を、高級チョコレートには光沢のある質感を使うことが多いです。

４.ブランドアイデンティティ

最後に、パッケージデザインには「ブランドアイデンティティ」が必要です。商品自体のブランドイメージを確立することで、消費者に商品を強く印象づけることができます。また、商品ラインナップ全体で統一感を持たせることで、消費者が商品を選びやすくなります。

以上が、パッケージデザインの4つの要素です。これらをバランスよくデザインすることで、商品の価値を高めることができます。

 パッケージデザインを考える前に押さえるべきポイント

次に、パッケージデザインを考える前に押さえておくべきポイントについて紹介します。パッケージデザインを考える際には、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

• ターゲットとなる消費者層のニーズやライフスタイル
• 商品の特徴や差別化ポイント
• ブランドコンセプトやアイデンティティ
• 販売チャネルや陳列場所の状況

・ターゲットとなる消費者層のニーズやライフスタイルを把握する

最初に、商品を購入するターゲットとなる消費者層のニーズやライフスタイルを明確に把握することが必要です。ターゲットがどのような価値観や好みを持っているかを把握し、それらに合ったパッケージデザインを考えます。

・商品の特徴や差別化ポイントを明確にする

自社の商品の魅力を引き出すためには、商品の特徴や他社との差別化ポイントを把握し、それらをパッケージデザインに反映させることが必要です。商品の特徴や差別化ポイントをわかりやすく伝えることで、消費者の購買意欲を高めることができます。

・ブランドコンセプトやアイデンティティを確立する

また、商品を販売するブランドのコンセプトやアイデンティティを明確にすることも必要です。消費者は、独自性のあるブランドを好む傾向があるため、ブランドのアイデンティティを確立することで、ブランドの価値を高めることが期待できます。

・販売チャネルや陳列場所の状況を考慮する

商品を販売するチャネルや陳列場所の状況に応じて、パッケージデザインを最適化することが必要です。たとえば、スーパーマーケットで販売される商品の場合、陳列スペースが限られていることが多く、パッケージが目立つようにすることが求められます。


以上のプロセスを踏まえて、パッケージデザインのコンセプトを決定します。具体的には、デザインの要素や配色、素材、形状、文字の配置などを決めます。コンセプトを決定すれば、次はパッケージデザインを実際に制作します。デザインの段階では、デザインをコンピューターソフトウェア上で作成することが多いですが、実際のパッケージを制作するためには、印刷会社などの専門業者に依頼する必要があります。

具体例

では、上記のポイントをふまえて、グリコ株式会社の「ポッキー」を参考に、パッケージデザインのポイントについて具体的に見ていきましょう。

ポッキーとは、日本発祥のお菓子で、やや細めのビスケット棒にコーティングされたチョコレートが特徴的なスナック菓子です。1966年に江崎グリコ株式会社から発売されたのが始まりで、以来多くのバリエーションが展開され、現在は日本だけでなく世界各地で愛されるお菓子の一つです。

4つの要素について

ポッキーのパッケージデザインのファンクションは、商品を保護するだけでなく、商品の魅力を引き出すことです。ポッキーのパッケージは、商品の棒状の形状に合わせて細長い形状になっており、開け口が上部に位置するようにデザインされています。また、多数の個包装が入った箱型パッケージもあります。
ユニークさについては、ポッキーのパッケージは、色鮮やかで印象的なデザインが多いことが挙げられます。さまざまなフレーバーや季節限定品に合わせてパッケージがデザインされることもあり、消費者にとって魅力的な要素となっています。
テクスチャーについては、ポッキーのパッケージには、サラサラとした光沢のあるラミネートフィルムや紙質のものがあります。また、商品の個包装には薄いアルミ箔を使用し、保湿性を高めるように工夫されています。
ブランドアイデンティティについては、ポッキーのパッケージデザインは、赤と白を基調としたもので統一されています。ロゴマークやデザインにも、赤いラインが入ることが多く、ポッキーのブランドアイデンティティを象徴しています。また、商品名やフレーバー名を大きく表示することで、消費者が商品を選びやすくなっています。

・ターゲットとなる消費者層のニーズやライフスタイル

ポッキーのターゲットとなる消費者層は、主に若い世代であり、特に10代から30代の若年層に人気があります。この層には、手軽に食べられるスナックや、おしゃれな商品が求められます。また、ポッキーはプレゼントとしても人気があり、その点にも配慮が必要です。

・商品の特徴や差別化ポイント

ポッキーの特徴は、ストレートな形状とサクサクとした食感、そして様々なフレーバーの豊富さです。ポッキーは、チョコレートやいちごなどの定番フレーバーから、期間限定の変わり種フレーバーまで、多彩なバリエーションがあります。また、ポッキーは独自のマーケティング戦略として、「11月11日はポッキーの日」として認知され、季節限定商品もあります。

・ブランドコンセプトやアイデンティティ

ポッキーのブランドコンセプトは、「楽しくておいしい毎日を過ごすために」であり、製品にはフレンドリーさ、アクティブさ、そしてポジティブさが表現されています。また、ポッキーのアイデンティティは、手軽でおいしい、そしてカジュアルなものであるとされています。

・販売チャネルや陳列場所の状況

ポッキーは、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ドラッグストアなど、様々な販売チャネルで販売されています。陳列場所においては、レジ前やスナックコーナー、お菓子売り場など、目立ちやすい場所に配置されていることが多いです。


パッケージデザインの考え方について具体的なイメージが沸きましたか？ポッキーのパッケージデザインは、多くの消費者に愛されるブランドアイテムの一つであり、時代やトレンドに合わせたアレンジが加えられながらも、一貫してシンプルで親しみやすいデザインが続けられています。
また、ポッキーは季節限定や特別なデザインのパッケージで発売されることも多く、それらのパッケージもブランドコンセプトやアイデンティティに合わせてデザインされています。例えば、クリスマスやバレンタインデーには、可愛らしいイラストや赤やピンクを基調としたデザインが採用されることが多く、ブランドコンセプトに沿ったデザインで、季節やイベントを楽しむ消費者層にアピールします。また、​​ポッキーのバラエティーギフトセットである「pocky THE GIFT」は、ポッキーの定番フレーバーに加え、季節限定フレーバーや新商品を含む、計6種類のポッキーがセットになっています。パッケージにはギフトにぴったりのデザインが施されており、贈り物としても人気の商品です。

まとめ

この記事では、パッケージデザインの要素や、パッケージデザインを考える際のポイントについて解説しました。パッケージデザインを考える際には、ターゲット層のニーズやライフスタイル、商品の特徴や差別化ポイント、ブランドコンセプトやアイデンティティ、販売チャネルや陳列場所の状況を把握することが重要です。

さらに、具体例として、ポッキーのパッケージデザインについて解説し、そのファンクションやユニークさ、テクスチャ、ブランドアイデンティティについても紹介しました。

パッケージデザインは商品のビジュアルイメージを左右する重要な要素であり、正しいデザインを選択することでブランドイメージの向上や販売促進につながることが期待されます。より効果的なパッケージデザインを実現するためには、商品やブランドの特徴を理解し、ターゲット層に合わせたデザインを提案することが必要です。

また、デザイン会社の提案に対して適切なフィードバックを行えるようになると、より良いパッケージデザインが生まれる可能性が高まります。ぜひ、パッケージデザインについての知識を身につけたうえで、デザイン会社と円滑なコミュニケーションをとり、魅力的かつ機能的なパッケージデザインを手に入れてください。