株式会社クオーツ

会社概要

サービスについて

制作事例

お役立ち資料

POとは?発行する際の注意点やポイントをケーススタディとともに徹底解説

ecサイト

目次

輸入や輸出を伴うグローバルなビジネスを始めた方、これからグローバルな市場展開を考えている方、「PO」という言葉を耳にしたことがありませんか?
海外取引に慣れていない人にとっては聞き慣れない言葉かもしれませんが、貿易業界では重要な役割を果たします。
実際、貿易業務に関わる場合は、POの理解や作成が必要です。そこで、この記事では、POの意味や役割、注意点について詳しく説明していきたいと思います。

PO(Purchase Order)とは?

PO、P/Oが指す意味とは?

POは、「Purchase Order」の略称で、英語圏で使われる発注書のことです。これは輸入者が商品を発注する際に使われます。
POには、商品名や出荷条件などの販売条件が書かれています。特定の書式が決まっているわけではないので、多くの場合会社や業界によって異なります。
また、海外取引では、トラブルを避けるためにPOだけでなく売買契約も交わすのが一般的です。ちなみに、輸出者が発行する注文請書は「OA(Order Acknowledgement)」と呼ばれます。

また、POに関連する用語には「Blanket Purchase Order」「Open Purchase Order」があります。
「Blanket Purchase Order」は、一括で商品を発注する際に使われる発注書です。一方、「Open Purchase Order」は、まだ商品が出荷されていない段階の注文書を指します。

POの重要性と基本的な機能

売買契約におけるPOの役割は何でしょうか?
POは、商品やサービスを発注する際に、購入意思を示すために使われます。その役割は以下の2点にあります。

トラブルを未然に防ぐ

海外との取引では言葉の違いが大きな問題となります。口頭での注文は認識の相違や言葉の違いからトラブルにつながりやすいです。Purchase Orderを使えば、注文内容を明確に記録することができ、トラブルを未然に防ぐことができます。注文内容が明確になるため、誤解やトラブルを避けることができます。

取引先との信頼関係を築く

Purchase Orderには取引内容が明確に記載されています。購入側は注文内容を確認できるため、注文ミスや混乱が減ります。また、売る側も取引条件が明確になるため安心感があります。このように、トラブルのない取引は双方の信頼関係を築くことに繋がります。

POに記載すべき内容

次に、POにどのような内容が記載されるかを国内の発注書と比較しながら紹介してきます!

国内の発注書と共通の項目

POには、国内で使われる発注書と同じ項目が含まれることがあります。簡単にまとめると、国内の発注書と共通の項目は次のとおりです。

  • 発注書の通し番号(P/O Number)
  • 注文日付(Date)
  • 自社の会社名・担当者名、住所、連絡先 など
  • 発注先の会社名・担当者名、住所、連絡先 など
  • 商品名(Item)
  • 数量、単位(Quantity、Unit)
  • 単価(Unit Price)
  • 通貨(Currency)
  • 合計金額(Total Amount)
  • 決済条件、支払条件(Payment Terms)


以上の項目は、国内の発注書と重なる部分です。

基本的な項目の詳細とその意義

PO(Purchase Order)は、取引において重要な文書であり、正確な情報提供と円滑な取引を確保するために不可欠です。基本的な項目とその意義を以下にまとめます。

取引先情報

発注先と発注元の会社名、住所、連絡先などを記載します。これにより、正確な双方の身元が確認され、取引先の特定が容易になります。

商品情報

商品名、数量、価格、納期などを記載します。これにより、双方が取引内容を明確に把握し、誤解や紛争を防ぎます。

支払い条件

支払い方法や期限を明記してください。これにより、支払いに関する条件が明確化され、取引の円滑な進行が保証されます。

配送情報

配送先や配送方法、納品場所などを指定しましょう。これにより、商品の受け渡しに関する手順が明確化され、配送プロセスがスムーズに進行します。

契約条件

返品ポリシーや保証条件などの取引条件を記載します。これにより、取引の際のリスクや責任が明確化され、トラブルを回避します。

国際取引で必要な輸入時特有の項目

次に、POを発行する際に特有の項目を紹介します。

Trade Terms(取引条件)

「Trade Terms」とは、貿易条件や取引条件を表す言葉です。具体的には、輸送の条件や保険の負担先などがこの項目に書かれます。売主と買主との間でのリスクの移転時点や、運賃及び保険料等の費用の負担区分などの貿易条件については、あとから紹介する『インターコムズ2020』にも定められており、基本的にはそれに準拠する形になります。

Ship to / Order to / Bill to(配送先・発注先・請求先)

「Ship to~」で配送先を表し、「Order to」は発注先、「Bill to」は請求先を表す言葉です。同じ場合は「Bill to / Ship to」のようにまとめて記載します。輸送手段については、「by sea」や「by air」といった表現で記載されます。

Delivery Date(納期)

「Delivery Date」には希望納期を書きます。海外からの輸入では、受け取りまでに時間がかかることが一般的です。初めての取引の場合は、とくに余裕を持った納期を提示することが重要です。

これらの項目は、PO作成時にしっかり考慮してください。特に国際取引では、Trade Termsや納期などの詳細な取引条件を明確にすることが重要です。

インコタームズと税関関連情報

国境を越える商品の取引において、必ずおさえておくべきなのが「インコタームズ」「税関関連情報」です。それぞれについて詳しく説明します。

インコタームズ(国際貿易条件)

インコタームズ(Incoterms)は、国際取引における貿易条件を定めたルールのことです。具体的には、商品の引き渡し時期や責任の移転時期、輸送費用の負担などが規定されています。これにより、売り手と買い手の間での取引条件が明確になり、取引の円滑な進行が保証されます。

税関関連情報

国際取引における税関手続きや規制に関する情報のことです。具体的には、商品の分類(HSコード)、関税率、輸入許可書などが含まれます。これらの情報は、国境を越える商品の取引において必要不可欠であり、正確な記載が重要です。

チェックリスト形式での記載事項の確認ポイント

以上、POに記載すべき項目を説明してきましたが、用語も難しく、ちゃんと発行できるか心配ですよね。ですので、ここでは記載事項の確認ポイントをかんたんなチェックリストにしてみました!こちらを参考に、作成してみてください。


POでよく使われる言葉と表現

ここではPOでよく使われる言葉を紹介します。POでは専門用語や略語が使われることも少なくありません。ここに記載する単語をおさえておけば、よりビジネスや相手とのコミュニケーションを円滑にすることができますよ。

POでよく使われる専門用語とその解説

以下は、船で輸送する際に用いられる専門用語です。

FAS(Free Alongside Ship):船側渡し (指定船積港を挿入)

FASは、売り手が商品を指定された船積港の隣に到達させる責任があることを意味します。商品は船に積み込まれる前に港の隣に置かれますが、実際の積み込み作業は買い手が行う責任があります。つまり、買い手が商品を船に積み込み、その後の輸送と保険に責任を負います。

FOB(Free On Board):本船渡し(指定船積港を挿入)

FOBは、売り手が商品を指定された船積港の船上に積むことまでの責任を負うことを意味します。商品が船に積み込まれた瞬間から、買い手が商品の所有権とリスクを引き受けます。つまり、積み込み後の輸送と保険に買い手が責任を負います。

CFR(Cost and Freight):運賃込み (指定仕向港を挿入)

CFRは、売り手が商品を指定された仕向港まで運送する費用と船舶貨物保険料を負担することを意味します。商品が指定された仕向港に到着するまでの責任は売り手にあります。つまり、商品が船に積み込まれてから仕向港に到着するまでのすべての費用とリスクを売り手が負います。

CIF(Cost, Insurance and Freight):運賃保険料込み (指定仕向港を挿入)

CIFは、売り手が商品を指定された仕向港まで運送する費用、船舶貨物保険料、および運送中の商品の保険料を負担することを意味します。つまり、商品が指定された仕向港に到着するまでの責任は売り手にあります。商品が船に積み込まれてから仕向港に到着するまでのすべての費用とリスクを売り手が負います。

また、これらは「Trade Terms」や「Shipping Terms」の欄に記載されるもので、該当する内容を貿易条件の欄に記入します。

国際取引における専門的な表現とその適用例

また、専門用語以外にもよく使用される表現があります。

TBD(To Be Determined)

「未定」「決定されていない」という意味の略語です。具体的な情報がまだ不明な場合や、決定が保留されている場合にTBDが使用されます。TBDの他にも、追って通知するという意味の「TBA(To Be Announced)」や、確認中を表す「TBC(To Be Confirmed)」が用いられることもあります。
例えば、配送日が確定していないときには、記入欄に「配送日:TBD」「配送日:TBA」と記します。

Approved By~

「承認者」という意味で使われるフレーズで、署名を記載する欄です。ある特定の個人や組織が、特定の決定や行動を承認したことを示すために使用されます。「Signature」などと表記されていることもあります。
例えば、文書や契約書などで、「Approved By [名前]」と記載します。これにより、誰がその決定を承認したかが明確になります。また、ビジネスの場では、特定のプロジェクトや提案などが上司や関係者によって承認されることが一般的です。

Special instructions

これまでの発注と違って注意が必要なことを伝えたいときなど、特記事項を記載するときに使用する欄です。
例えば、特別な配送方法、商品の取り扱い方法、納品日の指定などが一般的な特別な指示の例です。これは顧客や取引先からの要求に応じて追加されることがあり、遵守することが重要になってきます。

ケーススタディ:実際のPOでの表現の適用例

まだPO発行や国際取引に慣れていない方も多いかと思いますので、分かりやすく簡単にケーススタディを紹介します!以下は、Special instructionsの例です。



日本と海外のPO発行の違い

日本と海外のビジネス文化の違いとその影響

日本と海外のPO(Purchase Order)発行には、それぞれのビジネス文化の違いが自然と反映されてくることも多いです。あらかじめ文化の自害を以下に、日本のビジネス文化と海外の違いとその影響を説明します。

日本の場合

グループ志向

日本のビジネス文化は、チームワークや協調性が重視されます。この文化の影響により、POの作成においても複数の部門や関係者の合意が重要視されます。POは企業内の各部門とのコミュニケーションや調整が行われ、組織全体の利益を考慮した決定がなされます。

長期志向

日本企業は長期的な視野でビジネスを展開する傾向があります。このため、POの作成においても長期的な関係性や信頼の構築が重視されます。POは将来の取引の基盤となるため、品質や信頼性に重点が置かれます。

海外の場合

競争志向

海外のビジネス文化は競争や成果の追求が重視されます。この文化の影響により、POの作成においては価格交渉や条件の厳格さが目立ちます。競争が激しい市場では、価格や納期の優位性が重要視されます。

短期志向

海外企業は短期的な利益や成果に焦点を当てることが多いです。このため、POの作成においても短期的な成果や効率性が重視される傾向があります。素早い対応や迅速な納品が求められます。

双方でこのような文化の違いがあるため、国際取引にもそれは影響してきます。例えば日本では合意形成や関係性構築が重視されるため、POの作成に時間がかかることがあります。一方で、海外では迅速な決定と効率的なプロセスが求められることがあります。
さらに日本では品質や信頼性が重視されますが、海外では価格競争や効率性がより強調される場合があります。これらの違いは、POの条件や取引の進行に影響を与える可能性があります。

国際取引における法的考慮事項と遵守ポイント

国際取引における法的考慮事項と遵守ポイントは、取引の円滑な進行や法的リスクを防ぐために重要です。以下にまとめて解説します。

法的考慮事項

国際契約法の適用

国際取引においては、国際契約法や国内法が適用されることがあります。各国の契約法や商慣行についての理解が必要です。

紛争解決手段

取引条件や紛争解決手段を明確にしましょう。仲裁、裁判所管轄、法的手続きなどの選択肢を検討します。

関税と税関手続き

輸出入に伴う関税や税関手続きについての法的義務を遵守しましょう。正確な税関申告と関税の支払いが求められます。
知的財産権の保護
著作権、特許、商標などの知的財産権の保護に関する法的規制に従いましょう。適切な権利の取得と侵害の防止が重要です。

遵守ポイント

契約書の明確化

契約書には取引条件や責任の分担、紛争解決手段などを明確に記載しましょう。曖昧な表現や漏れがないように注意します。

法的アドバイスの取得

法的アドバイスを専門家から受けることが重要です。国際取引における法的リスクや義務を正確に把握しましょう。

文書の保管と記録

取引に関するすべての文書や記録を適切に保管しましょう。紛争発生時や税務対策などに役立ちます。

リスク管理の策定

取引リスクを評価し、適切な対策を講じましょう。リスクの予測と軽減策の策定が重要です。

法令順守の教育

関係者や従業員に対して、国際取引に関する法令順守の重要性の認知を徹底してください。責任者や担当者だけでなく、関係者すべての法令に対する意識の向上が必要です。

以上の国際取引における法的考慮事項と遵守ポイントを十分に理解し、適切に対処することで、リスクの最小化や法的トラブルの回避に努めましょう。

国際間での誤解を避けるコミュニケーションのコツ

国際取引におけるコミュニケーションのコツを3つに分かりやすくまとめました。この3点を意識するだけで、相手とより良い意思疎通を図ることができますよ。

わかりやすくカンタンな単語を使う

言葉の違いや文化の違いを考慮し、できるだけシンプル明確な言葉を使います。日本と同じように、英語を公用語としない国も多いです。また、英語圏との取引であっても、担当者や関係者が全員ネイティブとは限りません。英語を使っておけばなんとかなるとは考えずに、専門用語や俗語の使用は避け、相手にわかりやすい表現を心がけます。

文化的背景の理解する

先ほど説明した通り、海外と日本ではビジネス文化の違いがあります。相手国のビジネス文化や習慣を事前に知っておくことで、誤解を防ぎ円滑なコミュニケーションを促進します。例えば、相手の国のビジネスの慣習や挨拶の仕方、メールの書き方などを事前に調べておき、その知識を前提に対応するといいですよ。

確認とフィードバック

取引の内容や意思疎通に関する確認とフィードバックを積極的に行います。自分の理解を相手に確認するだけでなく、相手の理解や意図を丁寧に確認することで、誤解を防ぎます。また、重要な情報や指示は文書化し、双方が同じ理解を持つようにします。

PO発行時の注意点

ここではPOを発行する際の注意点について説明します。

誤字脱字や数値の間違いを防ぐための校正の重要性

誤字脱字や数値の間違いを防ぐための校正は、POにおいてとても重要です。POはビジネス取引における重要な文書であり、正確な情報を含む必要があります。
主に4つのポイントからその重要性をお伝えしますね。

正確な取引情報の提供

POには商品やサービスの詳細、数量、価格、納期などの取引条件が記載されます。これらの情報が正確でない場合、誤解や混乱を招き、取引の円滑な進行を妨げる可能性があります。

契約上の義務の明確化

POは売買契約の一部を構成し、双方の義務や責任を明確にします。誤字脱字や数値の間違いがあると、契約内容が曖昧になり、紛争やトラブルの原因になる可能性があります。

法的規制への適合

POには法的な要件や規制に従う必要があります。正確な情報を含まない場合、法的なリスクが発生する可能性があります。例えば、税務申告や関税手続きに誤りがあると、法的な責任を問われる可能性があります。

信頼性とプロフェッショナリズムの向上

正確なPOは信頼性を高め、プロフェッショナルを示すことができます。顧客や取引先との信頼関係を構築するためにも、校正作業は重要です。

このように、POにおいて誤字脱字や数値の間違いを防ぐための校正は非常に重要です。正確な情報を提供することで、取引の円滑な進行や信頼関係を構築することができます。

法的紛争を防ぐための契約条項のチェックリスト

国際取引をする際に、POの解釈やコミュニケーションの誤解が法的紛争を引き起こすことがあります。そのため、以下の項目が明確になっているかをしっかりチェックしてください。

以上のチェックリストを使用して、POの契約条項が法的紛争を防ぐために適切に構成されているかを確認することが重要です。

次回発注時に生じるトラブルを避けるための追跡・記録の方法

次回の発注時にトラブルを避けるための追跡と記録の方法はいくつかありますが、ここでは分かりやすく3つを紹介しますね。

過去の注文を記録する

過去の注文内容や取引履歴を細かく記録します。注文した商品やサービスの詳細、数量、価格、納期などをメモやスプレッドシートなどにまとめて保存します。

注文書を作成して保存する

毎回の発注時には、正確な注文書を作成しましょう。注文書には商品やサービスの詳細や数量、価格、納期などを明記して、関係者に共有します。そして、注文書を電子ファイルやクラウドストレージに保存しておきます。

フィードバックを収集し改善する

過去の取引に関するフィードバックを収集し、次回の発注時に活用します。顧客や業者からの提案や意見を参考にして、発注プロセスや取引条件を改善します。定期的な改善を行うことで、将来のトラブルを防ぎます。

これらの方法を実践することで、次回の発注時にトラブルを最小限に抑えることができます。

ShopifyでPOを発行するためのおすすめアプリ

以上、PO発行における注意点を解説してきましたが、いざPOを発行するとなるとやはり不安なことも多いですよね。できればカンタンに、そして楽に発行したいものです。そんなときにオススメなのが、書類発行アプリです!
以下の記事では、ECサイトの運営に必要な書類の発行を簡単に行えるアプリを紹介しています!ぜひご覧ください。



まとめ

この記事では、PO(Purchase Order)の意味や発行上の注意点などについてまとめました。
POとは、購入者が購入意思を示す文書であり、注文の証明となります。従って、必ずしも発行が必要な書類ではありませんが、取引上のリスクを最低限に抑えるためにも発行することが望ましいです。

発行する際には、記載内容を十分に確認し、誤りや抜け漏れに気を配りましょう。これにより、誤解や注文ミスから生じるトラブルを未然に防ぐことができます。そのためPOの発行は、円滑な国際取引を促進し、取引相手との信頼関係を築いていくのに役立ちます。

POを発行する場合はぜひこの記事を活用してみてくださいね!
また、弊社クオーツでは、Shopifyを利用したD2Cマーケティングの新規事業開発の支援を行っております。もしECサイト運営上の国際取引でお困りの場合は、ぜひ無料相談からお問い合わせいただけますと幸いです。

ビジネスの課題を解決したい方はお気軽にご相談ください。

クオーツは、デザインの力を最大限活用しながら、課題の解決と成長の加速に貢献します。クリエイティブ・マーケティング・テクノロジーの視点から事業開発、体験の設計、システム設計などを、一貫した体制でサポートしています。

SNSでシェアする

記事カテゴリ

タグ

© 2023 QUARTZ inc.